プロダクトデザイナーが担当プロジェクトを1から6へ:5つのワークフローと Claude Skill の原文まで公開
- VRフィットネス企業のプロダクトデザイナーが、半年間で同時進行のプロジェクトを1から6へ。イテレーションは数日単位。
- 本人の整理では、AIが変えたのは速度より「1人のデザイナーがカバーできる面積」。ただ本当に有用なのは、5つのワークフローそれぞれに実物スクショが付いている点です。
- いちばん価値あるものは全部スクショの中:Claude Skill の完全な起動条件と出力テンプレ、AIが書いたデータロジック文書、分岐プロトタイプはわずか2フィールドで実装。
何をしたか:半年間で担当プロジェクトが1から6へ
Krystian Zun は VRフィットネス企業 FitXR のプロダクトデザイナーで、0→1プロダクトを8年以上手がけてきました。半年前は一度に1案件だけ見ていましたが、今は6つ同時進行。ブレインストーム、システム論理、プロトタイプ、チケット、進捗更新まで自分で回し、イテレーションは数日単位です。本稿は、この半年で積み上げた5つのワークフローを一気に公開したもの。しかも各セットに実物スクショ付き。Claude Skill の完全定義、AIが生成したデータロジック文書、分岐プロトタイプの実装は、そのまま写せます。
本人の整理はこうです。AIはふつう「同じ仕事をより速く」の加速ツールだと思われがち。1年使ってみて彼が思うのは、その枠組みは的を外しているということ。本当に変わったのは規模——1人のデザイナーがエンドツーエンドで持てる範囲です。速度は副産物。頭が良くなったわけでも、残業を始めたわけでもなく、変えたのは注意力をどこに使うか。残りは AI に渡した、と強調しています。
変化の起点は FitXR。自分がいた中でいちばんテンポが速い場所だった、と彼は言います。最初の数か月は実験を連発し、すぐに壁に当たりました——追いつく方法が要る。それ以来、詰まるたびに同じ問いを自分に投げます。
この仕事に、AIをねじ込めないか?
Krystian Zun
一部を手放せないか。もっと速くできないか。もっと良い結果にできないか。試行錯誤の連続で、AIが役に立たない/むしろ遅くなる/手でやった方が早い場所も見えてきた、と言います。残念ながらその具体例は一つも出てこない。本稿でいちばん惜しい穴で、末尾でまた触れます。

メンタルモデル:AIが伸ばすのはT型人材の「横」
デザイン界には「T型人材」(T-shaped)という古い言い方があります。縦棒はいちばん深く掘った専門——UX、UI、リサーチ、モーションなど。横棒は他領域にまたがって物事を前に進める幅。同じ水準・同じ速度は要らず、仕事を動かせれば足りる、というものです。
AIが伸ばすのはその横棒です。不得意な領域でも、かなり速く動けるようになりました。
ここで彼はかなり正直な限定を置いていて、そのまま覚えておく価値があります。この伸びは領域でも人でも違う。たとえば高品質なビジュアルデザインではAIはまだ弱い——少なくとも彼自身の基準・自分への要求では。一方、デザインに詳しくない開発者がシンプルなランディングをAIに作らせると、十分見られるものが上がってくる、と。

第二層のモデルは「デザイナーの仕事とは何か」。彼は芯まで剥がします。問題を理解し、ビジネス・技術・プロダクトをまたぐ関係と影響を理解し、それらをひとつにまとめる案を見つける。実務では、方向と発想を何度も入れ替え、合った瞬間までイテレートする、ということです。
AIはこのループを速く回します。彼はAIをスケッチや紙プロトタイプのように使う、と言います。成果物そのものが本題ではなく、「当たり前」の層を越えて思考を押し出すことが本題だ、と。
ワークフロー1:週報とチケットは Claude Skill に任せ、彼は承認かスキップだけ
まず前提。ここが写しやすさを決めます。FitXR には従来型のプロダクトマネージャーがいません。プロジェクトとその日常運用は、担当の現場が自分で抱えます。スケジューリング、すり合わせ、チケット作成、進捗更新、マネジメントへの報告——すべて本業のデザイン/エンジニアリングの上に載る。だから自動化できるものは徹底的に自動化する、という姿勢です。
使っている組み合わせは Claude + Skills + Slack・Granola・Linear に繋ぐ MCP。Granola は会議記録ツールで、通話を文字と議事に起こす。Linear はチームのプロジェクト/タスク管理ツールです。
チェーンは3ステップ:
Granola がコンテキストを拾います。チームはリモートで、文脈は Slackスレッド、スタンドアップ、会議通話に散っています。これがあると、会議中はメモに伏せず、本当に場にいられる。週末になると Skill が文字起こしと Slack を走査し、職能・同僚ごとに Linear の進捗更新を下書きします。
2つ目の Skill は「ドリフト」担当。彼らのチームは「Slackで決めたら、もうSlackの外に出ない」ことで悪名高い、とのこと。この Skill は会話と Linear のチケットを突き合わせ、範囲が変わったのに未同期、状態の誤記、決めたのに未記録などをマーク。各提案を本人が一度見て、承認かスキップ——数分で終わります。

今は6案件に同時に巻き込まれています。同じ大きな絵の中でも、細部・難所・断片はそれぞれ違う。数か月前なら、この投入度では1案件しか見られなかった。本人の判断はこうです。全部を手作業で追えば、フルタイム1本分になりやすい。AIは投入と理解の代わりにはならないが、反復的で極端に時間を食う部分は外せる、と。
Skill 原文はスクショの中:起動条件の書き方と出力テンプレ
この節の内容は本文では一言も触れられておらず、上のスクショ中央から読み取ったものです。Skill 名は linear-status-update。起動は「スラッシュコマンド+自動」。
説明文のほとんどは「いつ出るか」に費やされている
説明の大半は、ユーザーがどう口にするかの列挙です:draft an update for the project、write a status update、update Linear based on slack、write a project update from our meetings、pull together a project update、さらに「任意のソース(Slack、Granola、会議)×任意の行き先(Linear、プロジェクト更新)」の組み合わせ。最後に保険の一文:
直近の動きを Linear 更新にまとめるなら、この Skill を使う。ユーザーが「skill」の語を出していなくても。
スクショ内の Skill 説明、当サイト訳
この書き方自体が学びどころです。Skill を書く人は「どうやるか」に力を注ぎがちで、出るべき場面で呼ばれない。起動条件が具体で、人の実際の言い回しに近いほど、信頼性が上がります。
ステップ3:書き出す前に、何が新しいかを整理
Step 3: Identify what's new
Before drafting, work out:
- What has happened since the last update?
- What decisions were made?
- What was completed? What's in progress?
- Are there any timeline changes, milestone shifts, or blockers?
- Is there any significant engineering or enablement work worth
calling out?
Focus on substance. Ignore noise like channel join messages, bot
notifications, and minor logistics. If something was already
covered in a previous update, don't repeat it.
日本語対照:書き出す前に整理する。前回更新から何が起きたか。どんな決定があったか。完了したもの/進行中は何か。タイムライン変更、マイルストーンの移動、ブロッカーはあるか。言及に値するエンジニアリングやイネーブルメントはあるか。実質に集中。チャンネル参加通知、ボット通知、細かい事務はノイズとして無視。前回更新で既に触れたことは繰り返さない。
最後の2文がいちばん写すべき部分です。週報が読みにくいのは、情報不足よりノイズ過多と先週の繰り返しであることが多い。「何を無視するか」を書いた方が、「何を書くか」より効きます。
ステップ4:まずそのプロジェクト既存の形式を踏襲。無いときだけデフォルト
ステップ4の一文目は「このプロジェクトの既存更新の形式とトーンに厳密に従う」。履歴が無いときだけ、次のデフォルトを使う:
# DD.MM.YY - [Project Name] Update
## Status:
* :[emoji]: [On Track / At Risk / Off Track]
[Optional: one or two sentences of framing context — a key
decision, headline shift, or anything needed to set the scene.
Omit if there's nothing essential to say here.]
## Last Week:
**[Workstream]:**
* [What happened — @mention relevant people where useful]
日本語対照:見出しは「日.月.年 - [プロジェクト名] Update」。Status行は emoji+「On Track / At Risk / Off Track」。任意で1〜2文の背景——重要な決定、大枠の変化、必要な場面設定。言うべきことが無ければ丸ごと省略。その後ワークストリーム別に「何が起きたか」を列挙し、関係者を@。
ワークフロー2:当たり前のアイデアをAIに先に吐き切らせる
本人も「比較的当たり前の使い方」と言っていますが、考え方の部分が面白い。
彼はAIに「あの答え」を期待していません。多くの場合それは出ない。AIが本当に得意なのは、当たり前で単純で、時には少し馬鹿なアイデアを、非常に速く吐き切ることです。
創作の過程では、最初に出る案はいちばん予測しやすいものが多い。その層を越えて初めて、少し面白いところに触れる。AIがその層を加速するので、白紙から始めず、取っ掛かりを手元に持てる、と。
ラバーダックとして使う。問題を声に出すだけで、答えは話しながら形になることが多い。AIも同じで、「問題・制約・文脈をはっきり述べる」行為自体が思考の整理になり、その上で何かが返ってきて反応できる。
二つ目は本当に詰まったとき。奇妙なエッジケース、変数が山ほど、どの選択肢もしっくり来ず、トレードオフだらけでループから抜けられない。そこでAIに可能な方向を素早く広げさせる。方向そのものは完璧ではないが、広げたあとで空間とトレードオフがはっきり見える。それで前に進めることが多い、と。

ワークフロー3:素材を渡して構造ドラフトをAIに出し、人が直して磨く
ここからAIが「本物のスーパーパワー」に見えてくる、と彼は言います。大量のデータ・論理・動く部品を消化する場面。型は固定です。
生の素材を渡す → AIに構造化された初稿を出させる → 人が直し、磨く。
事例:Checkpoints
最近手がけた案件は「Spotify Wrapped」に近い、マイルストーンのお祝い。ユーザーにデータ・実績・ハイライトのまとめを届け、特別でパーソナルに仕上げる必要があります。
紙の上では素敵に聞こえますが、実装と論理を考え始めると一気に複雑になります。難所は具体的。8つのフィットネスカテゴリ(原文 eight studios。格闘、ボクシング、HIIT、ダンス、ズンバなど)があり、カロリーやコンボスコアなど共有指標もある一方、多くは全く違う。格闘・ボクシングはパンチ数、HIIT・ダンス・ズンバは歩数。さらに収集しているがUIに出したことのないデータも山ほど。
開発から生データダンプを受け取り、手作業での整理は「正直、悪夢」だった、と。
· プロジェクト背景
· 達成したいこと
· データファイル
· Figma デザインのリンク
· 各画面の説明ノート
4・5項目に注目:データだけでは足りず、デザイン稿と「この画面は何をするか」の説明が要る。AIがデータと画面を対応させるのは、この2つに頼っています。
成果への評価は控えめです。ここはほぼそのまま:完璧ではない。問題もいくつかあり、使いたくないデータ、誤解や誤った仮定もある。でもそれが本題ではない。白紙から自分で整理しなくてよく、強い出発点を手元に持てたこと。そこから掘り下げ、塊ごとに精緻化し、本番に入れられるまで磨く。
副産物として、チームに配れる構造化ドキュメント——全隊の単一の真実源——も手に入りました。重みのある一文があります。昔なら1週間かけてゼロから作って誇れた種類の成果物。今回は1日もかからず、しっかりした版が手元にあった。

AIが書いたデータロジック文書:ハイライト候補20+5ステップ選択アルゴリズム
本文では一文で流していますが、スクショでは文書全体が開かれています。名前は DATA-LOGIC.md。冒頭の一文が自己規定:
本ドキュメントは各画面に何のデータを出し、どこから来て、どう計算するかを定義する。プロトタイプのイテレーションではこれを正とする。
DATA-LOGIC.md 冒頭、当サイト訳
中身は4ブロック。後ろほど具体的:
| 章 | 内容 |
|---|---|
| 画面フロー | checkpoint 全体を2段——Wrapped Moment(画面0–5)と Plan Reset(画面6–9)——に分け、列は「# / 画面 / 段落 / Figmaノード」の表。Figmaノード列には実番号(3139:3609 など)。つまり文書とデザイン稿は1対1で対応する |
| データ階層 | 4層の木:Chapter(前回checkpoint以降の全セッション)→ Day(ある暦日の全セッション)→ Workout(その日の構造化パス内1–3本)→ Class(1セッション、CSVの1行)。各層に定義あり |
| データソース | セッション級フィールドを列挙:名前・型・備考の3列。例:dateCreation は Unix タイムスタンプ、備考は「『1月23日』形式の生成に使う」 |
| 画面ごとの論理 | H1〜H20のハイライト候補20。番号・ラベル・粒度・例値・計算式・サブタイトル形式付き。末尾が選択アルゴリズム |
データ階層の節の末尾で、AI自身が未決問題を印付けしています。セッションをworkoutに束ねるにはworkout識別子が要り、classId と dateCreation だけでは同じトレーニングに授業を確実に帰せない——これを open Q にした、と。
不確かなところを綺麗な言葉で糊塗せず、ToDoとして明示した。初稿の有用さは、かなりの部分ここにある。

良いハイライトの定義は文書に固定されている
彼は後でこの文書を閲覧可能な説明サイトにしました。そこの定義が、本稿でいちばん持ち帰る価値のあるプロダクト判断です:
ハイライトとは、その章でいちばん印象に残る、具体的な一つの数字。集計指標ではなく、具体的な記憶のように感じられる必要がある。
良いハイライトの条件:具体で人が読める(
Checkpoints データロジック説明サイト、当サイト訳312パンチであり、総合スコア72.4ではない);ある1回のトレーニングに紐づく;checkpointごとに変わり、飽きさせない。
「312パンチであって総合スコア72.4ではない」——この一文で、この手の機能の成否はほぼ言い切っています。

選択アルゴリズム5ステップ
20候補のうち画面に載るのは最後1つ。その根拠がこの5ステップ。本稿でいちばんそのまま持ち帰れる部分です:
1. フィルタ 章全体でキー項目が空/ゼロの候補を除外;
粒度条件を満たさない候補を除外
(例:複数クラスが無い日 → 「単日」級はスキップ)
2. スコア score = 値 ÷ その指標の「十分すごい」しきい値
3. 選定 最高スコアが勝ち;
同点は粒度が細かい方(単一クラス > 単一ワークアウト > 単日 > 章全体)
理由:具体ほど記憶に残る
4. 多様性 同じカテゴリが前回checkpointで勝っていたら
スキップし、次点を採用
5. サブタイトル 単一クラス → "{クラス種別}, {日付}"
単一ワークアウト → "Workout, {日付}"
ステップ2が全体の肝です。パンチ数・カロリー・コンボ・反応時間は単位が違い、そのまま大小比較できない。それぞれの「十分すごい」しきい値で割ると、同じ物差しのスコアになる。だから312パンチと70kcalの1本が、同じハイライト枠を公平に争える。
分岐フローのプロトタイプ:最初の2回は失敗——Figmaは制御不能、Googleドキュメントは読まれない
本稿でいちばん有用な経験談。失敗の方が成功より詳しく語られているからです。
案件名は Positive Friction。FitXR での最初の大型案件で、新規オンボーディングの作り直し。方向は「遊び始めるまでの時間を最短に」から、はるかにパーソナルなフローへ。ユーザーは長めの質問列をいくつかの段で歩き、答えに応じて異なるインサイトを見て、最後にパーソナルなハイライト群と目標達成プランを受け取る。彼はほぼ全部持ちました:問いと答え、論理と分岐、インサイト画面、最後はハイファイデザインまで。
1回目:FigJam と Figma で描き、ほぼ即・制御不能
まず FigJam でフローをマップし、Figma で小さなプロトを作り、答えとインサイトの経路を示しました。ほぼ即・管理不能に。組み合わせと条件が多すぎ、小さな変更が全体に波及します。
2回目:脚本にしてレビュー依頼。フィードバックはほぼゼロ
内容に集中せよ、と誰かが提案。問い・答え・分岐論理を Google ドキュメントに——ほぼ脚本——入れ、それでレビューする、と。
結果、フィードバックはほぼ取れませんでした。本人も「当然だ」と認めています。読むのが苦痛だから:
フローが体感できない。長すぎるか判断できないし、問いが良いかも分からない。体験のテストなど不可能だ。
Krystian Zun、当サイト訳
ここまで来て——本人いわく半ば絶望から——浮かんだのが、「自分のプロダクトやアイデアにもAIを使ってきたんだから、このドキュメントをAIでプロトタイプにできないか?」
うまくいきました。しかもかなり良い。

AIプロトに換えたあと:論理の1か所変更がデータの1行変更に
まず Figma の境界線。大半のデザイン仕事は問題ないが、一部の案件が渡すのはシステム一式——分岐、論理、パーソナライズ、変化し続ける状態。画面の連なりは表層にすぎない。それを Figma でプロト化するのは、本人いわく「つらいからほぼ不可能」。
AIに換えてからは、ビジュアル設計に入るまでほぼ Figma を触らず、AIで本物の体験をイテレート:内容、問い順、分岐論理、インサイトの見せ方、入力方式まで。
最大の差はフロー全体を一度にイテレートできること。「この問いを変えろ」「この段を前へ」「このインサイトの見せ方を変えろ」「この答えの論理を更新」——まず真実源ドキュメントを手で直し、プロトの隅々に書き戻す、という二重作業が不要。フィードバックを会話に投げれば、AIが全体を一度に直す。
イテレーションの速度と深さが根底から変わった。もう画面のプロトではなく、振る舞いのプロトをしている。
Krystian Zun、当サイト訳
スクショから見えるプロトの組み立て
プロジェクト名は positive-friction、Next.js アプリ。ディレクトリ上のいちばん重要な決定は、リポジトリに docs/ があること。BRANCHING_LOGIC.md、BRANCHING_LOGIC_EXAMPLES.md、QUESTIONNAIRE_OVERVIEW.txt が入り、論理説明とコードが同じリポに同居。AIがコードを直すときルールも同時に読めます。
QUESTIONNAIRE_OVERVIEW.txt は平易な言葉の仕様書。スクショの実内容:第2問は「フィットネス(または FitXR)での主な目標は?」、5択——エネルギー向上とストレス軽減 / 減量ともっと健康に / 筋肉とシェイプ / 楽しく遊ぶ / 柔軟性向上。下に星枠でこれは分岐問で、以降に出る問いを決めると明記。続けて BRANCH A: 「エネルギー向上とストレス軽減」を選んだ人だけが、次の「いちばん元気が欲しいのはいつ?」と、その後のつなぎ画面を見る。
そのつなぎ画面の文案は、さらに前の答えに応じて3版のどれかに切り替わります。下はクリックできます:
朝のエネルギー低下は本当にある。短い FitXR 1本がエンドルフィンと集中で一日を起動してくれる——コーヒーより効くこともある。
contentMap["morning"]
午後の崩れは誰にも来る。FitXR の短くてリフレッシュなクラスは、一日のリズムを崩さずに素早く充電するのにちょうどいい。
contentMap["midday"]
夕方の疲れはきつい。FitXR が一日のストレスを落とし、面白くて元気の出るクラスが、消耗ではなくスッキリで締めくくらせてくれる。
contentMap["evening"]
QUESTIONNAIRE_OVERVIEW.txt 原文より、当サイト訳。インタラクションは同じデータで当サイトが組んだデモ。仕掛けはフィールド2つだけ
コード側の対応は questionnaire-data.ts。上の仕組みはフィールド2つで支えられています:
// 条件表示:前の問いが指定答えなら、このステップを出す
showIf: {
conditions: [
{ questionId: "goal-selection",
operator: "equals",
value: "have-fun" },
],
}
// 動的文案:前の問いの答えで、この画面の内容を差し替え
dynamicContent: {
questionId: "fun-type",
contentMap: {
"music-rhythm": "...",
"competition": "...",
"variety-surprises": "...",
"feeling-connected": "...",
},
defaultContent: "Got it — we'll fill your plan with the
kind of fun that keeps you hooked.",
}
素朴ですが、この2フィールドこそ「論理の1か所変更」をデータの1行変更にし、画板の山を触らなくてよくする。defaultContent も学びどころ:カバーされない経路にもフォールバックがあり、空画面にならない。
他の整理もきれいです。lib/ 下は責務ごとにデータ・条件・動的内容・状態・型の5ファイル。UIコンポーネントと画面は各1ディレクトリ。小さな設計として DebugNavigation.tsx——起動中プロト左上の Debug ボタンで、レビュー時にスキップでき、毎回最初から答えなくてよい。

docs/(分岐論理と質問仕様)と lib/(データ・条件・動的内容・状態・型が各1)。中央は質問仕様の原文、星枠に「これは分岐問で、以降に出る問いを決める」。右は実行時の見た目——「完璧なフィットネスプランをカスタム」、約5分、左上の紫 Debug がスキップ用。出典:Design with AI ニュースレター。フィードバックの取り方:プロトをリンクにデプロイし、Slackへ
本文でも書かれていませんが、フローが回る鍵です。プロトを vercel.app にデプロイし、リンクをそのまま Slack に投げる。構造化した説明付き:今回の変更、特に欲しいフィードバック、次の一手。
もう一つ賢い小技:同僚のフィードバックを txt にまとめリポへコミット。git 履歴に Create sams_suggestions_v2.txt と add sam's notes to breakdown。フィードバックがリポに入ると、AIの次回修正で直接読めます。

この案件は社史上いちばん成功した実験のひとつになった、と言います——数字は一切なし。本人の整理では、AIが「速くする」だけでなく、本来起きにくかった版を可能にした例だ、と。
ワークフロー5:4つのAgentがPaper上で並列にUI描画、1画面約3分
まず総括:ここまでの多くは論理・システム・構造で、AIが最も強い領域。一方、精緻で本番投入できるUIについては、しっかりしたデザインシステムが下支えしない限り、AIはまだ弱い、と彼は見ています。
ただ最近試している2つがあり、本気で興奮しています。
Paper:AIに描かせる無限キャンバス
Paper はキャンバス型デザインツール。Figma に似ているが HTML 基盤で、私有フォーマットではなく、最初から AI と MCP ワークフロー向けに設計された、と。まだ alpha で基礎機能も欠けており、今すぐ Figma の代わりにはならない、と明言しています。
ただし AIエージェントが創作する無限キャンバスとしては、かなり先を行っている、と。複数Agentを同時に走らせ、レイアウトや方向を並列に探れる——1つずつではない。よく書けた design.md を添えると「意外と良い」。HTML基盤なのでデザインとコードの溝がほぼ消え、小さな実験では Paper で Figma コンポーネントを再現し、AIにそのままコードベースへ入れさせました。

Called paper が Paper の MCP ツール呼び出しです。出典:Design with AI ニュースレター。スクショ右下のステータス行が、本文に無い硬い数字を示します:
もっと見るべきは自分で自分を検査する点。ログのやり取りはこう:「配置できた。スクショを撮って品質を確認する」→「良さそう!下端で内容が切れている。アートボードを fit-content に」→「fit-content できれいに解消」。「生成 → スクショ自検 → 発見 → 修正」のループこそ、本当に仕事になる理由で、一発生成で終わりではない。
締めの報告ではデザインシステム準拠が見え、粒度はここまで:ステータスバーは #FAFAFA ニュートラル殻+ダークアイコン、ナビタイトルは Barlow 700、アバターに #3B8AF3 の青リング、データ行は白カード3枚(トレーニング数/連続日数/カロリー)、週目標プログレスは青塗り白レールで達成80%、退出は #E4FE5B レモンイエローのピル+ダーク文字。注記も「レモンイエローは FitXR 規約で主要CTA専用」「青の強調色の一貫性:数値・PROバッジ・プログレス塗り・アイコン着色はすべて #3B8AF3」。
1. Paper は記事時点より成熟している。著者が書いたのは当時の自分の版で、スクショ左下にも Paper Alpha。公式サイトを見ると今は Paper Desktop を主推し、本番利用の企業列(Ramp、Vercel、Perplexity、Lovable、PostHog、Tailwind、Zed など)を掲げています。「まだ Figma の代わりにならない」は彼の判断であり、公式見解ではない。
2. 無料枠はこの並列プレイに本物の制約になる。料金ページでは:無料版は週 MCPツール呼び出し100回、Pro は編集者あたり月20ドル(年払いで月16相当)で週100万回。スクショでは1画面に Called paper が十数回、4並列1ラウンドで数十回は消えやすい。この密度なら無料版は週2〜3ラウンド程度——これは当サイトのスクショ推計で、原文・公式の数字ではない。
モーションは不得意なので、AIに先に探らせ、自分は別作業
この条は冒頭のT型モデルに戻り、因果の環を閉じます。
モーションへの態度は具体的。敬意はあるし、きれいなアニメはプロダクトの感触を一気に上げる。だが自然に速くできる領域ではない。触るたびに少し身構え、主に時間が溶けると分かっているから。難所は、静止フレーム間からトランジションを想像しにくいこと、さらに「きれい+少し独自」を思いつくこと。これは彼の縦棒ではない。
今のやり方は素朴:文脈を渡し、アイデアを述べ、キーフレームや静止画面を渡し、AIにトランジション案を出させるか、直接その間をアニメにする。
自己評価も正直:プロのモーションデザイナーには基礎的でも、彼のような人には十分有用。ずっと良い出発点まで連れていき、そこから自分で精緻化・研磨できる。
最大の差は:最初から途切れない完全な注意力を注がなくてよくなったこと。AIにその空間を探らせ、自分は別の仕事ができる。
冒頭の「変えたのは注意力の使いどころ」と並べると、6同時進行は謎ではなくなります。同時に進められる件数は、最初から最後まで張り付かなくていい件数が幾つか、で決まる。

最後の着地:AIは何でも得意にしてくれたわけでも、センス・判断・問題理解の必要を消したわけでもない。渡すのはレバレッジ——より速く始め、より多くの方向を探り、より複雑なものを扱い、弱分野でも仕事ができ、複数を同時に前へ。だから本当の機会は、働き方をその周りで再設計すること:どこを握り、どこを渡し、どこで脱出し、どこで思考の面積を広げるか。小さなタスクから数分削るのは、最小の部分の利得にすぎない。
語られなかったこと:AIが足を引っ張る場面がある、と言いながら例がゼロ
この方法アーカイブには穴がいくつかあり、写す前に知っておく価値があります。
1. いちばん惜しい点。冒頭で、試行錯誤の結果AIが役に立たない/遅くなる/手の方が早い場所が見えた、と明言しながら、具体例は一つもない。方法文では「使わない場面」の方が「使う場面」より価値が高いことが多いのに、ここは丸ごと欠席です。
2. 「6プロジェクト」に量的対照が無い。どれくらいが1案件か、投入量、品質低下の有無は未記載。「社史上いちばん成功した実験のひとつ」も数字なし。継続率・転換・完了率もゼロ。すべて本人の言い方です。
3. 組織前提が多くの読者に当てはまらない。6同時が可能なのは、FitXR にPMがおらず現場が担う前提。専任PMがいるチームでは、彼が外した仕事はもともとデザイナーの手元に無く、レバレッジは自然と小さくなります。
4. Skill は2つあるのに見えるのは1つ。週報側はスクショから完全再現できるが、「ドリフト」側は何も見えない。後者の方が書くのが難しく、面白そうに聞こえます。
5. design.md のサンプルが無い。「よく書けた design.md を添えると意外と良い」と言いながら、中身は一言も無し。Paper 節の Agent 報告の粒度(特定色は主要CTA専用、まで)から見ると、効果の良し悪しを決めたのは多分そのファイル——出していないのが惜しい。
デザインでいちばん時間を食う部分をAIが読めるファイルにし、1人で6案件を同時進行
FitXR プロダクトデザイナー Krystian Zun がスクショ付き5ワークフローを公開。何を渡し、何を手元に残したかを一枚で。
↓ 一枚で読了 · 動く図あり
Krystian Zun は VRフィットネス企業 FitXR でプロダクトデザイン。半年前は1案件だけ、今は6同時、イテレーションは数日単位。本人いわくAIが変えたのは規模——1人がエンドツーエンドで握れる量で、速度は副産物。頭が良くなったわけでも残業を始めたわけでもなく、変えたのは注意力の使いどころ。
· 週次の進捗更新とチケット突合
· 当たり前のアイデアの一括吐き出し
· 生データを構造化ドキュメントに
· 分岐付きフローのプロト
· モーション案の初版探索
· 精緻で本番投入できるUI(堅実なデザインシステム無しでは)
· 彼の基準での高品質ビジュアル
· AI下書きの最後の関門は本人が承認/スキップ
まず前提。写しやすさはここ次第:FitXR に従来型PMはおらず、スケジュール・チケット・週報・マネジメント報告は現場の本業の上に載る。彼はこの流れを Skill(AI向け固定手順:いつ出るか、何ステップか、成果の形)にし、週末ごとに回す。
Granola が通話を文字化し、会議中は本当に場にいられる。Linear はチケットと進捗の場。最後の関門は常に人。スクショの Skill 原文で写せる2点:起動条件が実際の言い回しを列挙し、skill の語が無くても使えと末尾で補足。手順に無視対象——参加通知、ボット、前回済み——を明記。
より硬い一式がこれ:生素材を渡し、AIに構造初稿、人が直し磨く。機能は Spotify Wrapped 系の段階まとめ。難所は8フィットネスカテゴリで指標が違う(格闘・ボクシングはパンチ、HIIT・ダンスは歩数)ことと、収集済みだがUI未出のデータ山。背景・達成目標・データ・デザイン稿リンク・各画面のメモを一括で渡し、データロジック文書——各画面の表示、出典、計算、Figmaノード番号まで対応——を受け取る。昔は1週間ゼロから、今回は1日未満で堅い版(本人の言い方)。
20候補が入り、1つが画面へ。ルールはAIが文書に書き、彼が採用。同じ文書にToDoも:既存フィールドだけでは授業を同じトレーニングに確実に帰せない——未決問題として明示し、綺麗な言葉で糊塗していない。
分岐付きオンボーディングのプロトは最初の2回失敗。FigJam/Figma では組み合わせと条件が増えると制御不能で、1か所の変更が全体に波及。問い・答え・分岐を Google ドキュメントの脚本にしてレビューしてもFBほぼゼロ——読めばフローが体感できず、長さも測れない。3回目でAIに走れるWebプロトにさせ、リンクをSlackへ。結果「論理1か所」が「データ1行」に。
問2「減量」 → 別の画板一式
問2「増筋」 → また別一式
…条件が増えるほど画板は倍増
文案1行 → 画板を1枚ずつ直し
showIf: {
questionId: "goal-selection",
operator: "equals",
value: "have-fun"
}
// この画面文案は前の答えで差し替え
dynamicContent: {
questionId: "fun-type",
contentMap: { "music-rhythm": "…",
"competition": "…" },
defaultContent: "…" // フォールバック、空画面なし
}
UI描画では判断が保守的:精緻で本番投入できる画面は、堅実なデザインシステム無しではAIはまだ弱い、と。試しているのは Paper(キャンバス型、HTML基盤で私有フォーマットではなく、描いたものが走れるコードに近い):Claude Code Agent 4つが同時に設定・プロフィール・トレーニング詳細・ペイウォールを描く。ログではスクショ自検、下端切れ発見、高さ適応へ修正——この自検・自修ループこそ仕事になる理由。
Krystian Zun
プロジェクト数
かスキップ
残したのはこの一歩だけ
前回済みは一切書かない
1か所が全体を揺らす
フローが体感できず測れない
showIf が出すか決め、
contentMap が文案を決める
コードではデータ1行
分
トークン1万超を消費
- × 本番投入できる精緻UI
- × 彼の基準の高品質ビジュアル
- × 最後に頷くその一瞬
最初から最後まで張り付かなくていい件数が幾つか。
反復部分は機械が読める
ファイルにして渡す。
