Gemini 4 Argon 公式開発者ガイド:長時間タスクを AI に任せる方法と、結果の検証プロセス
サイト全体の修正、画面録画の理解から 3D シーン生成まで:Google の本ガイドは目標設定・ツール・検証ループに焦点を当て、100 万 token の共有コンテキストウィンドウとロングデコードをもたらします。
Google は Gemini 4 Argon をリリースしました。プロジェクトの読み込み、ツールの呼び出し、結果の検証、そしてフィードバックに基づく修正を経て合意した目標を達成するまで、継続的な前進を必要とする複雑な業務に重点を置いています。開発者および企業向けに設計されており、複数ファイルにまたがるリファクタリング、脆弱性の修正、マルチモーダル資料の処理、3D アプリケーション開発などのタスクに適しています。
この公式開発者ガイドでは、注目すべき 3 つのユースケースが提示されています。
- エンジニアリングタスクを一貫して納品まで推進する:モデルにテストを実行させ、エラー出力を読み取らせ、複数ファイルを修正させることで、人間がターンごとに指示を出す負担を軽減します。
- 多様な資料を利用可能な成果物に変換する:動画、PDF、スプレッドシート、会計明細の情報を照合し、ダッシュボード、スライド、あるいは変更履歴付きの文書を作成します。
- 試行錯誤を要する創作やシミュレーションを完遂する:3D シーン、ゲーム、レンダリングプログラムを作成し、実際の実行結果を参照しながら実装を調整します。
Google はあわせて、入力・思考・回答で共用する 100 万 token のコンテキストウィンドウと、従来の単一レスポンス長を超えるロングデコード(Long Decode)を公開しました。割り当て枠の拡大は複雑なタスクに余裕をもたらしますが、作業を真に前進させるのは、明確な目標と検証可能なフィードバックです。
長時間タスクはまず目標を擦り合わせ、検証ループを構築する
「Web サイト全体のレイアウトとアクセシビリティの問題を修正する」ケースを例にとると、まず完了基準を取り決める必要があります。どのページを検証するのか、どのデバイスをカバーするのか、どのような結果をもって合格とするのか、どの操作に人間の確認が必要かを取り決めます。また、Argon に事前に確認の質問を挙げさせ、アーキテクチャやマイルストーンを議論し、コードやドキュメント、必要なツールへのアクセス権があることを確認させることも有効です。
これらの準備がモデルの進む方向を決定します。目標が明確になれば、モデルに計画を連続実行させ、チェックを走らせて結果に応じた修正を行わせることができます。不可逆な操作に遭遇した場合は、一時停止して人間の確認を仰ぐべきです。
修正が有効であったかをモデルが把握するには、実際のフィードバックが必要です。コンパイラのエラー、テストの失敗ログ、実行ログ、ブラウザのスクリーンショット、ページの DOM 構造などは、次回の修正の確固たる根拠となります。Agent とは、モデルを各種ツールに接続し、得られた結果に基づいて自律的に行動を継続させるプログラムです。通常のチャットでコードを 1 つ生成したとしても、それが実際に実行・検証されたことを意味するわけではありません。
既存の検証スクリプトが存在しない場合は、まずモデルに作成させることができます。サイト内のページを巡回し、現在の不合格項目を記録して修正前のベースラインを確立します。次に、不合格項目を共通の根本原因ごとに分類します。たとえば複数のページが共通のナビゲーションコンポーネントに起因している場合は、ページごとに個別にパッチを当てるのではなく、まずそのコンポーネントを修正します。
目標と境界の確定 → ベースラインの測定 → 根本原因に応じた修正 → 再検証。失敗した場合は原因究明を継続し、基準に達した段階で納品します。
修正を行うたびに同一の検証セットを再実行して初めて、修正が有効であるか、他のページに影響を与えていないか(リグレッションがないか)を確認できます。スクリプトが「違反ゼロ」と表示したとしても、それはスクリプトが検知できる項目に合格したことを示すに過ぎません。実際の画面表示、操作感、視覚効果については、依然として人間による目視確認が必要です。
実用プロンプト:Web アプリケーションのアクセシビリティ&レイアウト自動調査プロンプト
プロジェクトのリポジトリに接続され、Web サイトの起動やブラウザ検証が実行可能な Antigravity またはその他の Agent 環境において、以下のプロンプトを送信します。英語または日本語のいずれかを選択してください。src/routes/ はプロジェクトの実際のルーティングディレクトリに置き換えてください。通常のチャットでもスクリプトの作成支援は可能ですが、このプロンプトだけで手元の PC 上にあるプロジェクトを自動的に取得できるわけではありません。
英語原文
We want to fix accessibility and layout issues across our web app, but we don't have automated checks yet. First, write a headless Chrome script that crawls every route in src/routes/, inspects the live DOM and accessibility tree, and logs all violations to record our baseline score. Group the failing checks into shared root causes across our shared components, then fix them one cluster at a time. Re-run your script after each change to verify that each single fix resolves the entire cluster with zero regressions. Keep going until all routes pass with zero violations.
日本語訳
Web アプリ全体のアクセシビリティとレイアウトの問題を修正したいのですが、まだ自動チェックがありません。まず、src/routes/ 内のすべてのルートをクロールし、実行中の DOM とアクセシビリティツリーを検査して、ベースラインスコアを記録するためにすべての違反をログ出力する Headless Chrome スクリプトを作成してください。失敗したチェック項目を共有コンポーネント全体における共通の根本原因ごとにグループ化し、クラスターごとに 1 つずつ修正してください。各修正後にスクリプトを再実行し、単一の修正によってリグレッションなしでクラスター全体が解決されたことを検証してください。すべてのルートが違反ゼロで合格するまで作業を継続してください。
参考画像や画面録画もタスクの仕様書になる
AI に特定の UI スタイルを再現させたい場合、「洗練された」「シンプル」と言葉だけで指示するよりも、1〜2 枚の具体的な参考画像を提示する方が認識をすり合わせやすくなります。また、フォント、配色、レイアウト規則をあらかじめ軽量な DESIGN.md にまとめさせ、以降のコンポーネントを同一の規則に沿って実装させることも可能です。
アニメーション、インタラクション、タイミングに起因する不具合の説明には、動画が適しています。アプリの操作画面を録画し、クリックしながら違和感のある箇所を口頭で説明し、関連するログも併せて残します。Argon の動画 Agent 機能は、関連するタイムスタンプへのジャンプ、高解像度フレームの検査、映像と音声の手がかりの紐付けを自律的に行えます。Google は、20 分間のユーザーテスト録画を提供し、ユーザーがつまずいた箇所を特定させた上で対応するコンポーネントを修正させるユースケースも提示しています。
このように、動画は問題箇所の特定プロセスに直接組み込まれます。マルチモーダル資料は業務タスクの素材としても活用できます。長尺動画、PDF、表計算シート、帳簿などを同一タスク内で相互照合し、ダッシュボードやスライド、文書の修正案として整理できます。
1. 複雑な業務フローからインタラクティブなデータ表現へ
企業の財務やオペレーションの現場では、雑多な帳簿、スキャンされた請求書、PDF の財務諸表を直感的に照合するのは困難な作業です。開発者ガイドで紹介されている Finance Story アプリケーションは、過去 1 年間の取引データを取り込み、アニメーションとビジュアライゼーションを自動生成します。
Finance Story のサンプル画面では、取引が月別・曜日別にヒートマップとして配置されています。画面に表示されている 96 件の取引と 711,862 ドルの支出はデモ用の帳簿データです。
2. ユーザーの意図からフル機能アプリケーションの納品へ
静的解析にとどまらず、マネージド環境内の Argon はサンドボックス内で UI の構想、ゲームルールのプログラミング、自律的な試行プレイとデバッグを経て、最終納品に至る一連のフローを完結できます。
Pixel Arcade の対話型生成開始画面を示しています。ユーザーがニックネームとゲームの要望を入力するだけで、マネージド Agent がゲームを構築・試行プレイし、デバッグした上で結果を返します。
3. 空間と光と影を実行可能なコードとして記述する
図書館の動画は具体的な実装アプローチを示しています。Argon は約 5,500 行の Python/NumPy コードを記述し、レイトレーシングによって窓越しの太陽光、木材、ガラス、影を表現しました。レイトレーシングは、光線がシーン内のオブジェクトとどのように衝突するかを計算し、画面上の明暗や反射を生成します。この事例は、数学的な実装を観察可能な視覚的成果物へと変換しています。
Argon が作成した約 5,500 行のネイティブ Python レイトレーシングエンジンを示しています。プロシージャルマテリアル(Procedural Materials)、日光と陰影(Daylight & Shadows)、ガラスの集光模様(Glass Caustics)を独自に実装しており、BGM トラックはマルチモーダル音楽モデル Lyria 3.5 が協調生成しました。
Argon が方針を定め、Flash が並列実行する
Google チームは一つの分業体制を提示しています。Argon がタスクの分解、インターフェースの設計、結果のレビューを担当し、範囲が明確で独立して進められる実装作業を Gemini 3.8 Flash サブ Agent に委託します。これにより、並列での探索を進めつつ、アーキテクチャ全体は単一の司令塔が統括・管理できます。
分業のロジック
- 司令塔 Argon(
thinking_level="medium"または"high"に設定):大局に集中します。プロジェクト全体の背景を把握し、アーキテクチャ設計を整理し、モジュールの境界と API 仕様を決定し、各サブタスクの成果物に対して厳格なコードレビュー(Code Review)を実施します。 - Flash サブ Agent(Gemini 3.8 Flash など):並列での実作業を担当します。コードベース全体の高速なキーワード検索、単体テストのボイラープレートコードの一括作成、相互に独立した小さなモジュールの移植などを担います。
- 画像・音声・音楽を個別に担当するモデル:UI 画像やピクセルアセットは Nano Banana、音声は Gemini 3.8 Flash TTS、音楽は Lyria に委託します。
火星探査機の着陸物理シミュレーションタスク(パラシュートの断裂閾値、スラスタ燃料、横風、18度のクレーター傾斜を考慮)において、左側の単一 Argon は 14 分 13 秒・6 回の試行を要しコストは 0.11 ドルでした。一方、右側の Argon が Flash サブ Agent を統括する構成では、8 分 33 秒・26 回の試行で安全な着陸を完了し、コストは 0.08 ドルに抑えられました。
動画はわずか 26 秒ですが、数分間に及ぶ実行プロセスを凝縮して示しています。今回のデモでは協調アプローチの方が多くの設計を試行でき、所要時間とコストも抑制できましたが、単一の事例がすべてのエンジニアリングタスクで同様のメリットをもたらすことを証明するものではありません。
タスク完了後は再利用可能な知見と解説を残す
長時間の自律コーディングや複雑なエッジケースのデバッグにおいて、モデルが回り道をするのは避けられません。プロジェクトのコードベースには、独自のビルドパラメータ、特定のコーディング規約の好み、非推奨になったもののクリーンアップされていない内部ツールライブラリなど、暗黙の落とし穴が潜んでいることが多々あります。
新しいセッションを開始するたびにモデルにゼロから試行錯誤させていては、大量の Token を無駄にしてしまいます。タスク完了後には、Argon に今回のセッション全体を振り返らせ、得られた教訓を抽出して、コードベースの AGENTS.md ファイルやチームのスキル定義に直接蓄積させることができます。
実用プロンプト:セッションの振り返りと経験の資産化プロンプト
複雑なデバッグが一区切りついた段階で、英語または日本語のいずれかを選択してモデルに送信します。
英語原文
Investigate our current session to see where things stalled or required extra steps, and analyze why. Propose updates to our AGENTS.md or custom skills so we can improve our flow and take a more direct path next time.
日本語訳
今回のセッション全体を調査して、作業が停滞した箇所や余分な手順が必要だった箇所を特定し、その理由を分析してください。次回によりスムーズで直接的な手順を踏めるよう、AGENTS.md やカスタムスキルの更新案を提示してください。
長時間のタスクで数十ものファイルが変更された場合、人間にとってもその実装内容の理解が必要です。Argon に対し、インタラクティブなアーキテクチャ図、データフロー図、または段階的なパイプライン解説を生成させ、変更がどのように連動しているかを提示させることができます。これはレビュアーがマージ前に設計を検証するのに役立ち、レンダリングアルゴリズムや数学的ロジックに詳しくない関係者にも変更の意図を把握させることができます。テストの合格と明確な説明は、それぞれ「検証」と「理解」という役割を担っています。
100 万 token を素材・思考・回答にどう配分するか
Argon の統合コンテキストウィンドウの上限は 1,048,576 token であり、入力・思考・回答で共用されます。(token はモデルがコンテンツを処理する際の計算単位であり、文字数や単語数と同一ではありません)この仕様は、難問に対してより多くの推論スペースと回答スペースを割り当てることを可能にする一方で、入力素材が増えるほど生成に充てられる余量が減少することを意味します。
たとえば、入力ですでに 800,000 token を消費している場合、思考と回答に利用できるのは合計で最大 248,576 token となります。この算術関係は、出力パラメータをどれほど大きな値に設定しても変わることはありません。
思考レベルが注力度を決め、割り当て上限が停止条件を決める
thinking_level には 3 段階が用意されています。low は分類、ルーティング、ピンポイントの抽出に適しています。デフォルトの medium は大半のプログラミングおよび Agent 業務に対応します。high は最も難易度の高い複数ファイルにまたがるトラブルシューティング、数学・科学的推論に適しています。自身のタスクでこれら 3 段階を比較し、品質要件を満たす最も低いレベルを選択することが推奨されます。
もう一つのパラメータである max_output_tokens は、思考と回答の総量を制限します。仮にこれを 8,192 に設定し、モデルがその枠をすべて思考に使い切った場合、最終的に可視の回答が出力されない可能性があります。これは割り当て枠が枯渇した場合に起こり得る挙動であり、high を選択した際に必ず一定の token が消費されることを意味するわけではありません。
推論へのリソース投入を抑えたい場合は思考レベルを引き下げます。割り当て枠自体を過度に小さく制限してしまうと、未完了の回答が途中で切り捨てられるリスクが生じます。上限を高く設定することはモデルにより多くの使用を許可するだけに過ぎず、回答の品質向上や枠を必ず使い切ることを保証するものではありません。
100 万 token を入力・思考・回答にどう配分するか?
これは割り当て計算の例です。思考の消費量は仮定に基づくものであり、モデルの思考レベルから予測されたものではありません。また、示される回答枠は上限であり、モデルが必ず枠を使い切ることを意味しません。
max(0,min(65,536,1,048,576 − 50,000) − 16,384) = 49,152
割り当て枠は思考と回答の双方をカバーします。thinking_level は推論への注力度を調整するもので、固定の token 換算表はありません。
この例の割り当ては 64K を超えていないため、ロングデコードは不要です。マルチターンの Agent で各ターンが短ければ、通常ロングデコードを有効にする必要はありません。
ロングデコードによる生成の継続
Interactions API において、通常のストリーミングおよび非ストリーミングリクエストはデフォルトで 65,536 token を上限としています。これを超える必要がある場合は、background=True と 65,536 を超える max_output_tokens を同時に設定する必要があります。バックグラウンドモードを有効にするだけでは、デフォルトの上限は 64K のまま維持されます。
サーバーは 1 ステップあたり最大 64K token ずつ生成を継続します。最初のステップが終了すると、元の入力とすでに生成された内容が次のステップに渡され、モデルが終了するか割り当て上限に達するまで処理が続きます。各ステップは同一の interaction 内に model_output ステップとして記録され、結果の取得時にはこれらのステップのテキストを結合する必要があります。
ここで誤解が生じやすい数値が存在します。total_input_tokens は各ステップの入力の累計値であり、現在のコンテキストウィンドウサイズではありません。公式の例では、1,000 token の入力から 200,000 token の思考と回答が 4 つのステップに分かれて生成されています。各ステップの入力合計は約 397,000 token に達しますが、ウィンドウ内で実際に保持する必要があるのは約 201,000 token に過ぎません。重複する入力には暗黙的キャッシュによる割引が適用されますが、実際の使用量に基づいてコストを確認する必要があります。
ロングデコードは、特定の単一レスポンスにおいて極めて長い思考や出力が必要とされる課題を解決する仕組みです。Agent がツール呼び出しごとに短いターンのみを実行する場合は、通常ロングデコードを必要としません。すべてのターンを無闇に拡大すると、かえって共有ウィンドウを急速に埋めてしまうことになります。大半の一般的なタスクではこれを有効にする必要はなく、上限設定を「指定した固定文字数を安定して出力できる枠」と誤解してはなりません。
Interactions API の方式ではサーバー側が継続処理を担いますが、各ステップのリトライやエラーリカバリを自身で制御したい場合は、GenerateContent API もクライアント側での継続方式を提供しています。
利用開始の手順と移行時の変更点
コードを書かずに試したい場合は、Google AI Studio Playground でプロンプトをテストするか、AI Studio Build でアプリケーションを作成できます。ガイドに記載された利用経路には、Google AI Ultra サブスクリプションおよび Gemini API の有料枠が含まれます。Ultra ユーザーは Google Antigravity 上で Argon を選択し、複雑なタスクの計画と実行を行うことも可能です。
自前のプログラムから呼び出す場合は、Google 公式の google-genai SDK を利用できます。以下のサンプルは接続方法を説明するためのものであり、本解説の作成過程で有料 API の呼び出しは行っていません。
1. 事前準備と環境設定
まず最新の公式 SDK をインストールします。
pip install google-genai
コードを実行する前に、ターミナルに有効な有料 API キーが設定されていることを確認してください(Gemini 4 Argon はフル機能の有料モデルであり、無料利用枠は提供されていません)。
export GEMINI_API_KEY="your-paid-api-key-here"
2. 基本的な呼び出し:単一ファイル Web Audio ドラムマシン&シンセサイザーの生成
Argon のデフォルト設定での呼び出し方法は非常にシンプルです。以下の公式サンプルは、デフォルトの thinking_level="medium" を使用して、16 ステップシーケンサーとリアルタイム波形表示を備えたスタンドアロンのオーディオ Web アプリケーションの生成をリクエストします。
from google import genai
client = genai.Client()
interaction = client.interactions.create(
model="gemini-4-argon",
input=(
"Build a single-file HTML drum machine and synth using the "
"Web Audio API with a 16-step sequencer, tempo slider, and "
"a live waveform visualizer."
),
generation_config={
"thinking_level": "medium" # 選択肢: "low" | "medium" (デフォルト) | "high"
},
)
print(interaction.output_text)
このコードを try_argon.py として保存し、キーを設定した同一ターミナルで python3 try_argon.py を実行すると、生成結果が出力されます。返された内容を確認し、その中の完全な HTML を drum-machine.html として保存してブラウザで開き、シーケンサー、テンポスライダー、波形表示をテストします。生成結果にはデバッグが必要となる場合があるため、実際の動作結果に基づいて検証を行ってください。
コードを書かずにドラムマシンプロンプトを送信する
英語または日本語のいずれかを選択してください。AI Studio で英語プロンプト入力済みの公式サンプルを開く。
- 英語原文:
Build a single-file HTML drum machine and synth using the Web Audio API with a 16-step sequencer, tempo slider, and a live waveform visualizer. - 日本語訳:
Web Audio API を使用して、16 ステップシーケンサー、テンポスライダー、リアルタイム波形ビジュアライザーを備えた単一ファイルの HTML ドラムマシン&シンセサイザーを作成してください。
応用:ロングデコードバックグラウンドタスクの完全コードとステータス処理
ロングデコードバックグラウンドタスクモード(64K 生成境界の突破)
極めて長大な推論や大規模なソースコード全体の生成を伴うタスクでは、明示的に background=True を有効化し、十分な max_output_tokens を付与する必要があります。以下のコードでは、開発者が 5 秒間隔でステータスをポーリングし、各ステップの model_output を結合します。バックグラウンド方式ではインタラクションの保存(store=True)が必須です。サンプルの素数定理の証明リクエストは公式ドキュメントからの引用であり、生成されたテキストには依然として数学的な検証が必要です。
import time
from google import genai
client = genai.Client()
# ロングデコードのバックグラウンドタスクを開始
interaction = client.interactions.create(
model="gemini-4-argon",
input="Write a complete, rigorous proof of the prime number theorem.",
background=True,
store=True,
generation_config={
"max_output_tokens": 262144, # 思考が本文を圧迫しないよう上限を引き上げる
"thinking_level": "high", # 極めて難易度の高いタスクには高レベルの思考を適用
},
)
# バックグラウンドでの分割 Hop 生成の完了をポーリング待機
while interaction.status in ("in_progress", "queued"):
time.sleep(5)
interaction = client.interactions.get(id=interaction.id)
# 待機終了後にステータスを確認。completed は生成終了を示すのみで、内容検証済みを意味するものではない。
if interaction.status != "completed":
raise RuntimeError(f"Interaction ended with {interaction.status}: inspect status and usage")
# 各ステップの model_output テキストを結合
text = "".join(
content.text
for step in interaction.steps
if step.type == "model_output"
for content in step.content
if content.type == "text"
)
print(text)
print("最終インタラクションステータス:", interaction.status)
print("実際の課金利用統計:", interaction.usage)
completed は今回の生成が終了したことを示します。requires_action はツールを実行して結果を返す必要があることを示し、incomplete は割り当て枠を使い切った可能性があります。failed と cancelled は個別のエラー処理が必要です。ポーリングループを抜けたことだけで処理成功と見なすことはできません。マルチターンの対話やツール呼び出しは、previous_interaction_id を渡すことで既存のインタラクションを継続できます。
応用:マネージド Agent に検索・コード実行・検証を実行させる
マネージドサンドボックス Agent(Managed Agents)の利用
Google のマネージドインフラを活用して、Argon に自律的な Web 検索、コード実行、レビューレポート生成を行わせたい場合は、マネージド Antigravity Agent を呼び出すことができます。これは実行サンドボックスとツールのスケジューリング環境を提供し、検索、コード記述、検証、ならびに MCP ツールの呼び出しをサポートします。MCP は Agent を外部ツールに接続するためのインターフェース規格です。以下のサンプルは、Web サイトのパフォーマンスを監査し、優先度の高い修正項目をまとめさせます。
from google import genai
client = genai.Client()
interaction = client.interactions.create(
agent="antigravity-preview-09-2026",
agent_config={
"type": "antigravity",
"model": "gemini-4-argon",
},
input=(
"Audit https://web.dev for performance, Core Web Vitals, and SEO. "
"Query Google's PageSpeed Insights API for both Mobile and Desktop strategies. "
"Check search indexing with Google Search for site:web.dev. "
"Format the output as a side-by-side scorecard table with prioritized fixes."
),
environment="remote",
)
print(interaction.output_text)
旧モデルからの移行における重要変更点チェックリスト
既存の Gemini プロジェクトを gemini-4-argon に切り替える場合は、パラメータの互換性と実行環境の設定を確認してください。
thinking_budgetの廃止:明示的なthinking_level("low" | "medium" | "high")の使用に移行します。- サンプリングパラメータの完全撤廃:
temperature、top_p、top_kは Argon では無効化されており、指定した場合は非推奨の警告が発生します。 - 明示的キャッシュ管理の廃止:
cachedContentsやcaches.createの呼び出しを停止してください。Argon は 4,096 token 以上のプロンプトに対してデフォルトで暗黙的キャッシュを有効化し、ヒットした入力部分のみに 95% の割引が適用されます。 - クライアント側ネットワークタイムアウトの延長:ディープシンキングやロングデコードを伴う単一タスクは数分間実行され続ける可能性があるため、必ず
background=Trueを有効化するか、HTTP クライアントのタイムアウト値を少なくとも 15〜20 分に設定してください。
価格体系と長時間実行時の留意点
Gemini 4 Argon には Gemini API の無料枠が提供されていません。公式にはプロモーション価格と、その後に適用される通常価格が案内されています。適用期間および最新の情報については、末尾の出典注記および公式のリアルタイム料金表をご確認ください。
| 課金項目 (1M Tokens あたり) | 現在のプロモーション価格 | 今後の通常価格 | 主な適用条件および課金説明 |
|---|---|---|---|
| 通常入力 (Input) | $2.00 | $4.00 | プロンプト、アップロードされたマルチモーダルメディア、会話履歴コンテキストを含む |
| キャッシュ入力 (Cached Input) | $0.10 | $0.20 | ヒット部分は 95% 割引。単一入力が 4,096 Tokens の閾値に達し、暗黙的キャッシュにヒットすることが条件 |
| 出力および思考 (Output & Thinking) | $10.00 | $20.00 | 出力レートで課金。モデルがバックグラウンドで展開するディープシンキング(Thought Tokens)と最終本文に同一レートが適用されます |
把握しておくべきコストの要点
- 思考プロセスも課金対象:モデルが難問に対して 10 万 token の思考を費やした場合、この 10 万 token には最終的な回答本文の token と同一の出力レートが課金されます。そのため、単純なタスクで安易に
thinking_levelをhighに引き上げるべきではありません。 - 分割ステップの継続では入力が反復して読み込まれる:ステップごとの入力の累計が
total_input_tokensを押し上げますが、反復して読み込まれる部分には 95% の暗黙的キャッシュ割引が適用されます。コストを照合する際は、新規入力、キャッシュヒット入力、思考、回答を明確に区別して計算する必要があります。
バックグラウンドタスクが失敗またはキャンセルされた場合でも、すでに実行された部分に対しては課金が発生します。処理完了後は、最終本文が得られたかどうかだけでなく、必ず usage を確認してください。
実践用持ち帰り資料
Markdown をスクロールして確認し、コピーしてチーム向けに調整できます。
Markdown を読み込み中…
