プロダクト発表 · 小互解読

Google が Nano Banana 2 Lite と動画モデル Omni Flash を発表:画像生成わずか4秒、シリーズ最速最安

画像生成はわずか4秒、1000枚あたり約$0.034。動画モデル Omni Flash も同日、開発者向けに初公開。
ひと目で速覧
  • Google が Nano Banana 2 Lite(モデルコード gemini-3.1-flash-lite-image)を発表。Nano Banana シリーズの中で現時点最速・最安の画像生成モデルで、1枚4秒、1000枚あたり0.034米ドル。
  • Google は動画モデル Gemini Omni Flash(gemini-omni-flash-preview)を初めて開発者向けに公開。テキスト・画像・動画を混在させた入力による動画生成と対話形式の編集に対応し、動画1秒あたり0.10米ドルで、Veo 3.1 Fast と同価格。
  • 2つのモデルは連結して使える:まず Nano Banana 2 Lite で画像を生成し、それを Omni Flash に渡して動画化。Interactions API がセッションの文脈を保持し、最大3ラウンドまで連続で編集を重ねられる。
  • Nano Banana 2 Lite は AI Studio、Gemini API、Gemini Enterprise Agent Platform、および Search AI Mode、Gemini App、NotebookLM、Google Photos などの一般向けプロダクトにも同時に導入済み。
  • Omni Flash は現時点で10秒動画の生成のみに対応し、音声リファレンスのアップロードやシーン拡張には未対応。カット切り替え時のキャラクターの一貫性もまだ不安定。
スタンス表示:本記事の出典は Google 公式ブログであり、メーカー自身による発表内容です。文中のレイテンシ、価格、性能に関する記述はすべて公式発表に基づくもので、ベンチマーク図は Google の自己評価です。以下は公式の説明をそのまま紹介する内容であり、読者は AI Studio で実際に試して確認することができます。
1同日ダブル発表

Google が今回、新モデルを2つ同時にリリース

Google は2026年6月30日、画像生成モデル Nano Banana 2 Lite と、動画生成/編集モデル Gemini Omni Flash という2つの新モデルを開発者向けに公開すると発表した。

一方は画像生成担当、もう一方は動画生成担当。しかも公式はこの2つを最初から連携できるように設計している:静止画を生成した後、それを動画モデルに渡せば動き出す。
注目すべき理由:Gemini Omni Flash は Google の動画モデルとして初めて API 経由で開発者に公開されたもので、動画1秒あたり0.10米ドルと Veo 3.1 Fast と同水準。Nano Banana 2 Lite はテキストから画像生成までわずか4秒、1000枚あたり0.034米ドルで、現行の Nano Banana シリーズの中で最速・最安のバージョン。公式は初代 Nano Banana からそのまま乗り換えることを推奨している。
公式発表ページのヘッダー動画:2つの生成メディアモデルの効果デモ。出典:Google 公式ブログ
2公式ベンチマーク

公式アニメーション図1枚で、「速さ」と「安さ」の差がどれほどか一目でわかる

公式が示したこのベンチマークのアニメーション図では、横軸に価格、縦軸にレイテンシを配置しており、Nano Banana 2 Lite の位置が左下にあるほど、速くて安いことを意味する。

画像生成と編集:レイテンシと価格の比較アニメーション図
公式ベンチマークのアニメーション図:画像生成と編集について、「レイテンシ」と「価格」という2つの軸での位置比較。出典:Google 公式ブログ
4秒
テキストから画像生成までの所要時間。公式によればインタラクティブなプロトタイピングや素早いラフスケッチに向いているという
$0.034
1000枚あたりのコスト(公式の per 1K image 表記)、人民元換算で約0.24元

公式の補足:速度を売りにしているとはいえ、Nano Banana 2 Lite はプロンプトへの忠実さ、キャラクターの一貫性、画像内テキストの鮮明さといった項目でも実用レベルを維持しており、品質を犠牲にして速度を得ているわけではない。

公式デモ:同じ「動物を数える」タスクにおける、Nano Banana 2 Lite と前世代 Nano Banana 2 の生成速度と画質の比較。出典:Google 公式ブログ
3ファミリーのグレード分け

Nano Banana は現在4グレード、どれを使うべきか

今回の Lite を加えて、Nano Banana は全部で4グレードになった。これらは単純な高中低スペックの分類ではなく、「速度・品質・制御性」のトレードオフによる役割分担であり、それぞれの位置づけを見極めてから選ぶべきだ。

グレードモデルコード位置づけ
Nano Banana 2 LiteGemini 3.1 Flash Lite Image速度重視。ほぼリアルタイム・高スループットのバッチ処理シーンに向けて最適化され、レイテンシを最小限に抑えている
Nano Banana 2Gemini 3.1 Flash Image汎用の主力。低レイテンシで高品質を実現し、性能とコストのバランスが最も良い
Nano Banana ProGemini 3 Pro Image専門的で複雑なシーン向け。制御力と推論力が最も強く、速度より正確さが重要な作業に向く
Nano Banana(初代)Gemini 2.5 Flash Image公式が legacy と位置づける旧モデル。品質・速度・コストの3面で向上する Lite へのアップグレードが推奨されている
Nano Banana 2 Lite、Nano Banana 2、Nano Banana Pro の比較表
公式モデル比較表:Nano Banana 2 Lite、Nano Banana 2、Nano Banana Pro の能力グレード分け。出典:Google 公式ブログ
公式コメント原文

Lite は機能を削った廉価版ではなく、公式が初代 Nano Banana ユーザーに勧める乗り換え先だ。原文には「今すぐ切り替えられ、主要な性能面で直ちに恩恵を得られる」と明記されている。つまり、初代ユーザーが Lite にアップグレードすることは、公式が推奨するデフォルトの行動といえる。

4コア機能

動画モデルが初めて「対話しながら編集」できるようになった

Omni Flash は Google が I/O で披露していたモデルで、今回初めて API を通じて開発者の手に渡った。Gemini のマルチモーダル理解と動画の生成・編集を結びつけ、自然言語の指示を聞きながら動画を編集できる。公式は4つの能力を挙げており、以下で1つずつ見ていく。

今回のポイント

これまで「動画を生成してから修正する」には、2つのシステムを組み合わせる必要があることが多かった。Omni Flash は生成と対話式編集を同一モデルにまとめている。ひと言指示を出すだけで、すでに生成された素材の上でそのまま編集を続けられ、プロンプト全体を書き直す必要はない。

公式デモ:Gemini Omni Flash の実際の効果:自然言語の指示による動画の対話式編集と生成。出典:Google 公式ブログ
conversational video editing|対話式動画編集

動画を生成した後、プロンプト全体を書き直す必要はなく、自然言語のひと言指示だけで、すでに生成された部分を編集できる。

例えば「カメラをもう少し引いて」とひと言言うだけで、その通りに変更してくれる。要件を最初から全部言い直す必要はない。
multimodal referencing|マルチモーダル参照

生成時に画像・テキスト・動画を同時にモデルへ参照素材として与えることができ、キャラクターの外見やシーンのディテールをプロセス全体で一貫させられる。

人物の画像1枚とテキストの説明を与えると、生成される動画の中でできる限り同じ顔、同じシーンを保とうとする。
real-world knowledge|現実世界の知識

Omni は Gemini が持つ歴史、生物学、物語のロジックといった知識を活用し、映像の内容を筋の通ったもの、物語として成立するものにする。

ストーリー性のある動画を生成する際、こうした常識をもとにカットをより一貫性のある形に組み立てられ、単なる映像の寄せ集めにならない。
text and action synchronization|テキストとアクションの同期

シンプルな指示だけで、テキストや図形を動画内のアクションのタイミングに直接対応させられる。

どのセリフがどの動作に対応するかを明記すれば、画面内の動作はそのセリフのリズムに合わせて動く。
たとえるなら · 対話式編集

すでに映像を見たことのある編集者と会話するようなもの。ひと言伝えれば、その通りに直してくれる。毎回要件を最初から言い直す必要はない。これが「対話式編集」と、これまでの「編集のたびにプロンプトを書き直す」ことの違いだ。

動画編集ベンチマーク評価図
公式の動画編集ベンチマーク評価図(自己評価データ)。出典:Google 公式ブログ
5つなげて使う

2つのモデルをどうつなげて使うか

公式によれば、本当に便利なのはこの2つのモデルを1本の流れにつなげられる点だという。まず Nano Banana 2 Lite で素早く画像を生成し、その画像を参照として Omni Flash に渡して動画化する。そして Interactions API が文脈を覚えているおかげで、そのまま対話形式で編集を重ねられる。

Nano Banana 2 Lite4秒で画像生成
参照画像として次のステップへ渡す
Omni Flash動的な動画を生成
Interactions API文脈を保持、最大3ラウンドまで編集を重ねられる

ここでのポイントは Interactions API によるマルチターンの会話文脈だ。モデルは以前の数ラウンドでどの画像・どの動画を生成したかを覚えており、チャットのように一歩ずつ編集を続けられる。連続で最大3ラウンドまで重ねられ、毎ラウンドごとにプロンプトを最初から書く必要はない。

たとえるなら · マルチターンの文脈

Photoshop の履歴機能に似ている。「このフィルターをもう一つ追加して」と言えば、モデルはそれがさっきのあの画像を指していると理解し、改めて指定し直す必要はない。3ラウンドの編集とは、この履歴を最大3ステップまでつなげられるということだ。

動画 静止画
1枚の静止画がタイムラインに沿ってコマごとに動画へと育っていく様子で、「画像生成 → 動画化」という流れに対応している

公式がすぐ試せる3つのデモを用意

この3つのデモアプリは、この一連の流れを具体的に形にしたもので、いずれも AI Studio 上でそのまま編集して使える。

Anywhere:自撮りするか写真をアップロードすると、まず Lite があなたを数十の観光名所へ「テレポート」させる。気に入った1枚をクリックすれば、Omni Flash がその場所の動画に変えてくれる。出典:Google 公式ブログ
Space Lift:インテリアデザインのデモ。部屋の写真をアップロードすると複数のリフォーム案が生成され、気に入った1案を選ぶと Omni がカメラワークでデザインを動的に見せてくれる。出典:Google 公式ブログ
Omni product studio:Lite が生成した静止画を EC 向けの商品紹介動画に変換。1回のやり取りで画像から動画への変換結果が得られる。出典:Google 公式ブログ
6開発者にとっての意味

プロダクトを作る人にとって、これは何を意味するのか

上記の能力を実際に落とし込むと、今回の発表は実質的に3種類のシーンを解放したことになる。

一つ目、画像生成コストが1000枚あたり約$0.034(人民元換算で約0.24元)、1枚4秒にまで下がった。大量の画像生成や素早い試行錯誤が必要なプロダクトのプロトタイプを、より低い予算で回せるようになり、試行錯誤の限界コストが非常に低くなる。

二つ目、動画生成と対話式編集が初めて API を通じて直接公開された。開発者は「生成モデル」と「編集ツール」という2つのシステムを自分でつなぎ合わせる必要がなくなり、1つの API で生成も編集もできる。

三つ目、画像から動画への生成をチェーンのように呼び出せる。まず画像を出し、それを動画にし、さらに3ラウンドまで編集を重ねられる。これによりリフォーム効果の確認、観光名所巡り、EC 向け商品紹介動画といったインタラクティブなアプリケーションが生まれており、公式の3つのデモがそのお手本だ。

7現状の限界

現時点でまだできないこと

Omni Flash は現在パブリックプレビュー版であり、公式自身がいくつかの制限を挙げている。使う前に限界を知っておき、能力への期待を過度に高くしないほうがいい。

  • 1回の動画生成の上限は10秒。公式によれば、より長い尺への対応は近日中に予定されているという。
  • Gemini API では、このモデルは現時点で音声リファレンスのアップロードに対応しておらず、シーン拡張にも対応していない。
  • 3秒以内の動画リファレンスは、API の schema 上は受け付けられるが、モデルは現時点では処理できない。
  • カットを切り替えたりパン撮影をしたりする際、キャラクターの一貫性にはまだ制約があり、公式は改善中だとしている。
ついでに:透かしとコンテンツのトレーサビリティ
両モデルとも Google のインフラをベースにしており、出力には SynthID の透かしが付与される。Gemini App、Chrome 内の Gemini、あるいは Search を通じて、そのコンテンツが AI 生成かどうかを確認できる。これは公式のトレーサビリティ機構であり、上記の能力制限とは別の話だ。
8価格の内訳

新しい価格は同種のものと比べて何が違うのか

具体的な数字で締めくくろう。Nano Banana 2 Lite の着地点は「シリーズ内で最速・最安」、Omni Flash の着地点は「Veo 3.1 Fast と同価格」。この2点が、今回の発表で最も明確な価格シグナルだ。

4秒
Nano Banana 2 Lite のテキストから画像生成までの所要時間
$0.034
Nano Banana 2 Lite の1000枚あたりのコスト
$0.10/秒
Omni Flash の動画出力の価格
10秒
Omni Flash の現在の1回あたりの動画時間上限

動画の秒単価:Omni Flash は Veo 3.1 Fast と同水準

Gemini Omni Flash$0.10/秒
Veo 3.1 Fast$0.10/秒

言い換えれば、Google はこの初公開の動画モデルを、既存の Veo 3.1 Fast と同じ秒単価にそのまま設定した。画像生成側では、Nano Banana 2 Lite は公式が名指しで、初代 Nano Banana ユーザーに直接乗り換えるよう勧めている、最速・最安のグレードだ。

It's our recommended replacement for developers currently using our first version of Nano Banana, you can swap it out now for immediate benefits across key performance dimensions. Google 公式ブログ、2026-06-30
出典:Google 公式ブログ「Start building with Nano Banana 2 Lite and Gemini Omni Flash」、著者 Alisa Fortin、2026年6月30日公開。本記事はこの公式発表内容をビジュアルで解説したものであり、文中のレイテンシ、価格、能力に関する記述およびベンチマーク図はすべて Google 公式の発表と自己評価データに基づく。画像・動画素材の著作権は Google に帰属する。