製品発表 · XiaoHu解説

ByteDance「Seedance 2.5」発表 30秒動画を1回で生成、最大50件の素材を参照

即夢AIとDoubao Proで同日提供開始。Volcano Engine Ark APIは未提供、価格も未発表

1分で要点
  • 従来は1本15秒が上限で、1カット程度しか生成できませんでした。1シーンを作るには分割して生成し、つなぎ合わせる必要がありました。今は1本30秒の動画に、シーン全体を収められます。
  • 1回に入力できる参照素材は、15個から50個に増えました。コンサートのデモでは、18枚の画像にそれぞれ役割を割り当てています。
  • 指示の書き方も変わります。秒単位で区切り、各素材に番号を付ける必要があります。
⚑ 本記事は、ByteDance Seedチームの発表ブログ、Seedance 2.5プロジェクトページ、公式アカウントが同日に投稿した2件のポストを基にしています。デモ動画はいずれも選別された完成例です。Doubao Proのプラン条件はPChomeの報道によるものです。即夢AIとDreaminaの「長尺動画モード」、および1秒単位のタイムスタンプ精度はプラットフォーム側の説明で、モデルの発表ブログとは記述が異なります。本文では出典を明記しています。
導入

動画尺は2倍、参照素材は3倍超 修正箇所を秒単位で指定

ByteDance Seedチームは7月31日、次世代の動画制作モデルSeedance 2.5を発表しました。動画制作者にとって、変わったのは画質だけではありません。1本にシーン全体を収め、数十個の参照素材を同時に扱い、修正する秒数まで指定できます。

冒頭で披露されたのは、4分22秒の短編です。実写素材を使わず、全編をSeedance 2.5だけで生成しています。同じ作品は、公式アカウントのByteDance Seed(@ByteDanceSeed_)が同日に公開したポストにも掲載されています。ただし、4分22秒は1回の生成上限である30秒を大幅に超えます。どのようにつないだのか、発表ページには説明がありません。

4分22秒の短編作品。映像と音声を含む全編をSeedance 2.5で生成。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

前世代のSeedance 2.0は2026年2月12日に発表され、それから5カ月余りです。基盤アーキテクチャは変わらず、テキスト、画像、音声、動画をまとめて扱うマルチモーダルな映像・音声の統合生成を引き継いでいます。進化したのは、1本で描ける長さ、1回で参照できる素材数、生成後に修正できる細かさの3点です。3点目は整理が必要です。前世代でも、特定の区間、人物、動作、ストーリーを選んで修正できました。今回はタイムスタンプによる位置指定が加わり、グリーンスクリーン、視点とカメラワーク、参照編集も強化されています。

1回で生成できる動画の長さ 15秒 · Seedance 2.0 30秒 · Seedance 2.5 1回の参照素材上限 15個 画像9 + 動画3 + 音声3 50個 画像30 + 動画10 + 音声10 修正の細かさ(数量比較ではないため棒は同じ長さ) 2.0:区間 / 人物 / 動作 / 展開を修正 2.5:タイムスタンプ指定を追加 グリーンスクリーン / 視点・カメラ / 参照編集も強化
Seedance 2.0(2026-02-12)から2.5(2026-07-31)までの3つの変化。数値は両世代の発表ブログに基づきます。上の2段は各段内で値に比例しており、段をまたいだ横方向の比較はできません。3段目は機能の説明で、棒の長さは同じです。
30秒
1回の生成上限(前世代は15秒)
50個
1回の参照素材上限(前世代は15個)
4:22
冒頭短編の全長(接続方法は未公表)
物語表現

30秒で1シーン完結 導入から結末まで

尺が2倍になったと聞くと、単に15秒が30秒になっただけに見えます。重要なのは、30秒に入れられる内容が変わったことです。前後につながる複数の場面を1ショットに収め、導入から展開、転換、結末まで描きます。同じ映像を2倍に引き延ばすわけではありません。

デモでは、女性歌手がステージに上がります。カメラは厚い赤い幕の隙間から進み、暖色の楽屋へ入ります。歌手は背を向けてイヤホンを整え、スタッフが出番を告げます。彼女はカメラを振り返り、City Popを歌い始めます。カメラは後退しながら幕を抜け、舞台裏の通路を進む彼女を追います。ダンサーと自然に交流し、スタッフからマイクを受け取ります。2人がステージへ上がると、カメラは背後へ回り込み、赤と黒の舞台美術、LEDスクリーン、人物を追うスポットライト、煙、反射する床が順に広がります。最後はスタジアム全景まで引き、観客、応援ボード、ペンライトで埋め尽くされた会場を映します。

30秒のワンカット。楽屋からスタジアム全景まで、途中にカットはありません。入力はテキストのみで、参照素材は未使用です。発表ページではT2V、つまりテキストからの動画生成と記載されています。出典:Seedance 2.5発表ブログ。
幕の隙間から カメラが進む 先は楽屋 出番を告げる スタッフ 振り返り歌う カメラが後退 歌手を追って 舞台裏を進む 登壇し背後へ 舞台演出が 次々に展開 カメラが引く スタジアム全景 満場のペンライト 00:00 00:05 00:10 00:15 00:20 00:25 00:30 前世代Seedance 2.0の1回の上限 上段の5枚は物語順。幅は各場面の秒数を示さない
歌手のデモに含まれる5つの展開を、物語の順に並べています。発表ページには場面の順序だけがあり、秒単位の時点は示されていません。そのため、カードの幅は各場面の秒数を表しません。下の括弧は前世代の15秒がどこまでかを示します。
歌手デモの生成指示全文
ワンカット。手持ちスタビライザーで追従撮影する。カメラは厚い赤い幕の隙間からゆっくり前進し、暖色の楽屋へ入る。若い女性歌手がカメラに背を向けてイヤホンを整え、スタッフが出番を告げる。歌手は振り返ってカメラを見つめ、City Popを歌い始める。カメラは後退しながら歌手を追い、幕を抜けて舞台裏の通路へ進む。歌手はダンサーと自然に交流し、スタッフからマイクを受け取る。続いて歌手とダンサーが登壇。カメラは背後に回り込み、赤と黒の舞台美術、LEDスクリーン、スポットライト、スモーク、光を反射する床を順に捉える。最後はスタジアム全景まで引き、観客、応援ボード、ペンライト、歓声に包まれた会場を映し、若々しく自由なコンサートのクライマックスを演出する。
指示全体がカメラの動きに沿って書かれています。まず撮影方法(ワンカット、手持ちスタビライザーで追従)を指定し、その後に各場面で起きることを順番に説明します。「コンサートで女性歌手が歌う」だけの指示と比べると、すでに十数倍の長さです。

人物の周囲を1周しても、顔や背景が崩れない

動画が長くなるほど目立ちやすいのが、被写体そのものの変化です。振り向くだけで顔が変わる、服の模様が合わない、背景がずれるといった問題です。京劇のデモは、まさにこの点を見せる構成です。主人公が回転し、水袖を翻す動きに合わせてカメラが周囲を回ります。人物と背景は全編を通して一貫性が保たれ、水袖が空中に描く軌跡も重力に沿っています。

京劇のデモ。周回するカメラワーク、水袖の動き、3人の登場人物が順に現れます。参照素材を使ったR2Vで、参照画像、参照動画、参照音声を基に動画を生成しています。指示では、覇王、虞姫、武生、舞台に対応する画像を個別に指定しています。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

AI動画特有の不自然な質感も改善

AI動画には、一目で分かる不自然さがあります。肌がワックスを塗ったように滑らかすぎる、視線が虚ろ、彩度が高すぎる、画面全体が油膜で覆われたように見える、といったAI感です。今回は物体の質感、人物の肌と視線、光と影、画面の彩度を最適化し、実写に近い質感を目指しています。同時に、意図しない字幕やBGMが生成されるという一般的な問題も改善したとしています。ただし、いずれも改善前後を比較するデモはありません。実際にどこまで良くなったかは、自分で試す必要があります。

延長

30秒超は「延長」で対応 ただし公式説明に食い違い

30秒だけでは、1本の作品を完成させるには足りません。続きを作るには「延長」を使います。生成済み動画の末尾に続きを追加し、人物、場面、映像スタイル、音声を前の区間とそろえます。ショットを分割し、何度もつなぎ、接続部分を調整する作業を減らせます。

延長のデモ。サッカーボールを抱えた少年が車内を走り、地下鉄が停車してドアが開くと外へ飛び出します。男性主人公が街まで追い、最後に追いつきます。少年が不満そうに見上げると、主人公は怒りを収めて頭をなでます。指示:「@動画1の画面と被写体につながる30秒の続きを生成し、人物、場面、映像スタイル、音声、効果音の一貫性を保つ」出典:Seedance 2.5発表ブログ。

延長できる長さについては、3つの公式説明が食い違い、相互の関係も示されていません。発表ブログには「複数回の延長」に対応し、数分にわたり一貫性のある映像を制作できるとあります。Seedance 2.5のプロジェクトページには「動画を2回延長可能」とあります。一方、即夢AIと国際版のDreaminaは、プラットフォーム機能として最長3分の「長尺動画モード」を案内しています。

モデルの1回生成 · 発表ブログとプロジェクトページ 30秒 プロジェクトページ:「動画を2回延長可能」 約90秒 30×3、本サイトが「2回」から推計 即夢AI / Dreamina:「長尺動画モード」 3分 発表ブログ:「複数回延長」「数分間」 数値なし、長さは図示不能 060秒 120秒180秒 濃色=公式数値、淡色=本サイトの推計
3つの説明を、モデルの1回の生成上限と並べました。横軸は秒数に比例し、下に目盛りがあります。90秒の棒は、本サイトが「2回延長可能」から推計したものです。公式資料に90秒という記載はありません。「数分間」には数値がないため、長さを描いていません。

筆者は次のように解釈しています。モデル自体は30秒に加えて2回の延長に対応し、3分は即夢AIと国際版Dreaminaがプラットフォーム側で提供する別モードです。公式アカウントのDreamina AI(@dreamina_ai)による提供開始のポストでも、「Long video mode: up to 3 minutes」と独立機能として記載されています。ただし、3つの説明がどう対応するのか、公式は明らかにしていません。

指示

プロンプトが変わる 秒単位の絵コンテへ

今回明示された変更は、動画の長さ、参照素材、編集機能の3点です。しかし、複数のデモ指示を並べると、明言されていない変化も見えます。指示を秒単位で区切り、各素材に番号を付ける必要があることです。

朝食デモの指示は、次のようになっています。

朝食デモの編集指示全文
@動画1を編集。人物、動作、画風は維持し、カメラワークのみ変更する。15秒を4区間に分ける。0–4秒:小型FPVで鍋すれすれを進み、跳ね上がるトーストを追ってコーヒーへ素早くパン。4–7秒:寄りながら鍋沿いに横移動し、目玉焼きが跳ねて戻る動きを追う。7–11秒:急上昇して真上からの視点に移り、一定速度で下降しながら皿と鍵を捉える。11–15秒:手持ちの寄りで両手を追って素早くパンし、朝食に寄った後、2人の中景まで引く。全編を滑らかで安定した映像にする。
このプロンプトは2つの用途を示しています。生成済みの@動画1を修正する編集プロンプトであり、変更するのはカメラだけです。人物、動作、画風はすべて維持します。
00:00–00:04 小型FPV 鍋肌を飛行 跳ねるトーストを追う コーヒーへパン 00:04–00:07 寄る 鍋沿いに移動 目玉焼きを追う 跳ねて戻る 00:07–00:11 急上昇して真上へ 一定速度で下降 皿を横切る 鍵も映す 00:11–00:15 手持ちの寄り 両手を追いパン 朝食へ寄る 2人の中景で終了 0s4s7s 11s15s 4区間の境界は指示で固定。カード幅と目盛りは秒数に比例
朝食デモの指示を4区間に分けた構成です。カード幅と下の目盛りは秒数に比例します。時点とカメラの動きは、すべて指示原文に基づきます。
カメラワーク編集のデモ。同じ朝食の映像で、人物と動作は変えず、上記4区間に従ってカメラだけを再設計しています。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

京劇のデモも同じ書き方です。「0~5秒:@画像2の覇王のクローズアップから開始……6~10秒:@画像1の虞姫をミディアムショットで捉え、カメラが安定して周回……11~20秒:@画像3の武生が登場し、後方宙返りをする」。共通点は、秒単位で区切ることと、素材に番号を付けることです。

タイムスタンプ

ここで求められるのは、もはや絵コンテです。タイムラインと素材一覧があり、各区間で何が起きるかを固定します。発表ページはこれを「高精度なタイムスタンプ制御」と表現しています。生成時には、時間帯ごとにストーリー、視点、カメラワーク、テンポを指定します。生成後は特定区間を選び、人物、動作、音声、ストーリーだけを修正しながら、前後の一貫性を維持できます。

撮影、編集、照明の技術がなくても作れるため、操作のハードルは下がりました。一方で、指示を明確に言語化する難度は上がっています。頭の中で先に絵コンテを組み、それを正確な言葉にする必要があります。狙った結果が出るまで全体を生成し直す行為は、界隈で「ガチャ」と呼ばれます。指示が秒単位まで細かくなると、狙った結果を得られるかどうかを左右する、新たな要因が加わります。何秒目に何が起きるのかを、明確に書けたかどうかです。

タイムスタンプの精度について、発表ブログは数値を示していません。Dreamina AI(@dreamina_ai)のポストには、1秒単位の精度(「precise timestamp control down to 1 second」)とあります。これはプラットフォーム側の説明です。

参照

1つのプロンプトで参照画像18枚を指定

指示を細かく書くなら、入力する素材も増やす必要があります。1回で入力できる参照素材は、前世代の画像9枚 + 動画3本 + 音声3本(計15個)から、画像30枚 + 動画10本 + 音声10本(計50個)へ増えました。画像だけでも9枚から30枚です。

50個と言われても、実感しにくいでしょう。コンサートのデモでは、そのうち18枚の画像を使い、1つの指示で各画像に役割を割り当てています。

@画像一 コンサートホール全体 ↑ 舞台後方 合唱団 @画像十一 – @画像十四 オーケストラ(両側と後方) @画像六 – @画像十 ピアニスト @画像二 チェロ @画像三 バイオリン @画像四 ボーカル(前方へ) @画像五 舞台前方 客席 @画像十五 – @画像十八 計18枚(@画像一の場面を含む)、17枚を人物と区画に割当 指示は中央・両側・後方のみ。配置は本サイトの図解
コンサートのデモで使われた18枚の参照画像の役割を、指示内の番号に基づいて区画図にしました。指示にあるのは中央、両側、後方という位置関係だけです。各ブロックの具体的な配置は本サイトによるもので、正確な舞台平面図ではありません。
コンサートデモの生成指示全文
30秒のコンサート映像。16:9の横位置で、映画のような写実表現。実在感のあるホールの光と影、暖かな金色の舞台照明、格式あるクラシックコンサートの雰囲気にする。会場は@画像1、ピアニストは@画像2、チェロ奏者は@画像3、バイオリン奏者は@画像4、ボーカルは@画像5、その他のオーケストラは@画像6~10、合唱団は@画像11~14、客席は@画像15~18を参照する。ボーカルは舞台中央から前方へ進み、ピアニストはピアノのそば、オーケストラは両側と後方、合唱団は舞台後方に配置する。冒頭は高い位置からホール全景を俯瞰。ピアニストが鍵盤を弾き、スポットライトを浴びたボーカルが歌い始める。カメラはバイオリン、チェロ、オーケストラを自然に捉え、バイオリンは明るく、チェロは温かく響かせる。後半で合唱団が加わり、ボーカルと最前列の観客が一瞬目を合わせる。観客はほほ笑んでうなずく。最後はカメラが後退し、演奏が終わると観客が拍手する。
このプロンプトは3つのことを行っています。18枚の画像を人物と区画に割り当て、各人物の立ち位置を定め、さらにカメラの動きを指定します。最初の5枚は個別に指定し、残りの13枚はグループごとに関連付けています。オーケストラ、合唱団、客席には、それぞれ連続した番号帯を割り当てています。
複数人物が同時に登場する群像デモ。複数の人物の外見と声を同時に再現し、それぞれの特徴を全編で安定して維持しています。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

数だけでなく、参照機能にもいくつかの強化があります。ホワイトモデル参照、モーション参照、クリエイティブ参照です。モーション参照とクリエイティブ参照は名称だけで、詳しい説明もデモもありません。ホワイトモデル参照には一連のデモがあるため、次で詳しく見ます。

制作フロー

ホワイトモデルとグリーンスクリーン:3Dソフトやグリーンバックの素材を直接入力

ホワイトモデル参照は参照機能、グリーンスクリーン編集は編集機能で、本来は別の分類です。プロジェクトページでは、両者を「プロフェッショナルな動画制作のために」という項目に並べています。狙いが同じだからです。既存のプロ制作フローにつなげることです。まず、分かりにくい2つの用語を整理します。

ホワイトモデル:骨格を先に決め、モデルに仕上げさせる

ホワイトモデルとは、テクスチャやマテリアルを貼っていない灰白色の3Dモデルです。形状と位置だけがあります。映像、広告、ゲームの制作では、もともと使われている工程です。まず3Dソフト上で灰色のモデルを使って場面を組み、カメラ位置、人物の動線、構図、移動軌跡を決めます。これをプリビジュアライゼーションと呼びます。Seedance 2.5では、このホワイトモデルを直接入力し、構造を維持した映像を生成できます。誰がどこに立つか、カメラがどう回るか、物体がどの軌跡を動くかを、事前に決めた通りに反映できます。複雑なショットでも、構図と演出を狙いに近づけやすくなります。

たとえるなら

映画を撮る前に、積み木と人形を机に並べて、人物の動きを一度再現するようなものです。従来は、その配置を現場で監督が再現する必要がありました。今は机ごとモデルへ渡し、その並び通りに撮らせられます。

同じ機能は照明にも対応します。ホワイトモデルの空間情報から、物理法則に沿った照明を推定します。光源の方向、色温度、強度、影の落ち方まで含まれます。

配置したホワイトモデル:形状、カメラ、軌跡のみ カメラ 主体 移動軌跡 カメラ周回弧 骨格に沿ってモデルが仕上げた映像 光源方向 · 色温 · 強度 影は光源の反対側 同じ幾何関係:左側のカメラ、軌跡、主体を右側でも維持 材質、照明、影はホワイトモデルの空間情報から補完 模式図。公式素材ではない。実例は下のデモ動画
ホワイトモデル参照の2層構造を、本サイトが図解したものです。左側のカメラ位置、軌跡、主体は制作者が決めます。右側では、その幾何関係を維持したまま、材質、照明、影を加えます。
ホワイトモデルの生成指示全文
@ホワイトモデル1のカメラワーク、テンポ、ショットサイズの変化、被写体の軌跡、カメラ演出を参照する。登場人物の外見、場面、材質、照明、色彩、童話的な雰囲気は@画像2を参照し、ホワイトモデルを夢のように温かい、子どもの幻想世界を描く3Dアニメーション短編に仕上げる。展開は、幻想の空を飛行→雲海で神獣と並走→海へ急降下→海底を泳ぐエイ→鏡のような時空の裂け目→宇宙で星を摘む→部屋へ戻る→父親が布団を掛ける→絵本を閉じた場面で静止、の順とする。
2つの素材を役割別に使い分けます。ホワイトモデルはカメラと軌跡、もう1枚の参照画像は外見、材質、照明、雰囲気を担当します。ストーリーは矢印で1本の流れにつないでいます。
ホワイトモデル参照のデモ。灰色のモデルによるプリビジュアライゼーションを、子どもの幻想世界を描く3Dアニメーション短編に仕上げています。カメラ演出は、ホワイトモデルで決めた構成を引き継ぎます。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

グリーンスクリーン:背景だけでなく、服のなびき方も再計算

グリーンスクリーン編集が扱うのは、グリーンバックの前で撮影した既存素材です。モデルはグリーンバックを実景に置き換え、障害物や衣装、脇役も変更します。重要なのは、単なる切り抜きと背景合成ではないことです。服がなびく方向、髪の状態、歩行のリズム、人物に落ちる光と影まで、新しい場面の物理法則に合わせて再計算します。主体と場面を自然になじませるためです。

グリーンスクリーン編集のデモ。同じサッカー練習素材を3つの場面に変更しています。屋外練習では障害物を石、レンガ、タイヤ、木箱に置換。休憩室では友人が励まします。国際試合では練習用ポールを守備選手とGKに置き換え、主人公が得点します。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

ホワイトモデルとグリーンスクリーンが示す方向は同じです。3Dソフトで組んだ骨格や、グリーンバックで撮影した素材を、そのまま次の工程へつなげられます。Dreamina AI(@dreamina_ai)が同日に公開した提供開始のポストでは、MayaとBlender向けのプラグインも発表されました。狙っているのは、映像制作の本格的なパイプラインです。

実用例

教育ではすでに利用、産業分野は用途の提示にとどまる

では、具体的にどこで使われているのでしょうか。教育と産業で1件ずつデモがありますが、実用化の段階は同じではありません。

教育:教科書の背景を、そのまま映像化

モデルはすでに豆包愛学Appの「豆包課堂」に導入されています。教科書にある歴史的背景、人物、出来事を映像にし、静的な解説を、視覚的に理解できる映像へ変えます。もう1つの用途は、教師向けの教材動画作成です。科学原理、歴史的事件、実験手順などの抽象的な内容を動画で分かりやすく示します。教材制作のハードルを下げ、必要に応じた修正も可能です。

「Doubao Classroom」の利用例。中国画風の写意表現で描かれた南宋・臨安の街を走りながら、子どもたちが「ふと振り返ると、その人は灯火のまばらな場所にいた」と唱えます。カメラが上へ向くと辛棄疾が振り返り、遠くのまばらな灯火の中に男性が立っています。出典:Seedance 2.5発表ブログ。

産業・ロボット・自動運転向けの学習用動画を生成

産業分野では別の使い方を想定しています。生成動画を使って、ロボットに物体の認識方法や手の動かし方を学習させます。産業シミュレーション、作業手順の研修、設備のデモにも利用できます。自動運転では、異常気象や複雑な道路状況など、現実には発生頻度の低い場面をシミュレーションし、システムのテストデータを補います。ただし、この部分は「利用できる」「可能」という説明だけです。実際に運用している顧客、件数、時期は示されていません。

産業用途のデモ。自動車組み立てのホワイトモデルを、高品質でリアルな組み立て映像に仕上げています。使用しているのは同じホワイトモデル参照です。カメラワーク、構図、ショットサイズ(カメラの寄り具合)、部品の位置、組み立て順序、移動軌跡はホワイトモデルを参照し、材質、照明、色、反射は別の画像を参照します。出典:Seedance 2.5発表ブログ。
提供状況

どこで使えるのか

発表ブログによると「順次提供開始」で、中国国内と海外の双方で同日に動きがありました。

サービス状況利用方法 / 条件
即夢AI同日提供Web版 → 動画生成 → Seedance 2.5を選択。プラットフォーム側には最長3分の「長尺動画モード」もあります。この情報はDreamina AI(@dreamina_ai)の提供開始ポストによるものです
Doubao Pro同日提供動画生成 → Seedance 2.5を選択。PChomeの報道によると、強化プランと上級プランのユーザーは「クリエイティブ動画」機能を優先利用でき、Seedream 5.0 Proなどのモデルとも連携します
Volcano Engine Ark API未提供発表ブログには「近日提供予定」とあります。発表当日は利用できず、価格も未発表です
Dreamina(国際版)同日提供Dreaminaのサブスクユーザー向け。第1弾は東南アジア、中東、アフリカ、欧州、南米で提供し、その他の地域にも順次拡大。MayaとBlender向けプラグインも公開
Doubao Proで連携する画像モデル
ByteDanceがSeedream 5.0 Proを発表:1枚の画像を10以上の独立レイヤーに分解、高密度チャート入りの実景も一括生成
同じチームによる画像モデルで、7月8日に発表されました。動画が参照画像を必要とするなら、その画像をどこから作るかも同じ制作工程の一部です。
🧰 スタートガイド · Seedance 2.5
価格公式価格は未発表です。即夢AIとDoubao Proは各サービスのプランに従います。国際版Dreaminaは生成ごとにクレジットを消費し、サブスクユーザーのみ利用できます。Volcano Engine Ark APIは未提供です
利用条件Web版でモデルを選ぶだけで、導入作業は不要です。ただし、良い結果を得るには、秒単位で区切り、素材番号を付けた絵コンテ形式の指示を書く必要があります
そのまま使えるデモ指示は4本。歌手のワンカット、朝食のカメラ編集、18枚の画像を割り当てるコンサート、ホワイトモデルを童話風短編に仕上げる指示です。秒単位で区切り、各素材に番号を付け、カメラ演出と外見の参照を分けて書きます。
出典
ワンカットで完成、柔軟な参照|Seedance 2.5正式発表ByteDance Seed·seed.bytedance.com·2026-07-31
本サイト注記
10本のデモ動画は、すべてSeedance 2.5発表ブログから取得しました。元ファイルはビットレートが高く(1080pで最大51 Mbps、合計811MB)、本サイトで126MBまで再エンコードしてセルフホストしています。映像内容は変更していません。前世代の参照素材15個、生成時間15秒などの比較値は、Seedance 2.0発表ブログに基づきます。「動画を2回延長可能」と「プロフェッショナルな動画制作のために」はSeedance 2.5プロジェクトページの記載です。「長尺動画モードは最長3分」と「タイムスタンプ精度は1秒単位」はDreamina国際版のポストに基づくプラットフォーム側の説明です。Doubao Proのプラン条件はPChomeの報道によります。前世代がすでに動画編集と延長に対応していたことは、Seedance 2.0発表ブログに基づきます。図中の90秒は、本サイトが「2回延長」から推計した値で、公式発表ではありません。5つの物語展開とタイムラインの対応、ホワイトモデルの2層構造図、コンサートの舞台配置図は、本サイトが作成した模式図です。