xAI、Grok 4.6発表——GPT-5.6 Solに並ぶ総合スコア。プロンプト活用法も紹介
- xAIがGrok 4.6をリリース。価格は前世代と同じ、入力100万トークンあたり2ドル、出力6ドル。
- 総合スコアはGPT-5.6に並ぶが、10項目の内訳で最多1位は別モデル。
- 数週間使ったエンジニアの対照実験:仕様書2ページと3行のプロンプトで結果はほぼ同じ。差をつけたのは、彼が追加したもう1つの文だった。
Grok 4.6リリース——同価格で長時間稼働するエージェントが主役に
xAI(マスク氏率いる AI 企業)は昨日 Grok 4.6 を発表しました。4.5 の基盤の上で、2つのことに重点を置いています。1つは長時間稼働し続ける Agent、もう1つはより野心的なインタラクションとビジュアル処理です。これが解決しようとしているのは「1つのタスクが数十ステップ続くと崩れてしまう」という問題。情報収集や分析、コードベース内での継続的な修正、アイデアを実用的なアプリに仕上げる作業を、途中で途切れさせないことを目指します。
入力は100万トークンあたり2ドル、出力は6ドルで4.5と同等。高速なfast版もあり、価格は2倍(速度の向上度合いは非公表)。
Cursor、Grok Build、公式APIのほか、OpenRouter、Vercel、Cloudflareなどで利用できます。初週はGrok BuildとCursorで利用枠が2倍です。
トレーニングで行われたこと
ステップは3つです。1つ目は4.5よりも長い追加トレーニング。厳選したモデル自身が生成した推論データと高度な技術概念のデータに、高品質なエンジニアリングデータを加え、より良いオプティマイザーとトレーニングレシピに変更しました。2つ目は前世代の Grok 4.5 を使って「標準的な問題解決プロセス」を生成し直すこと。異なる推論レベル、異なる Agent フレームワーク、そして STEM、ソフトウェアエンジニアリング、ナレッジワークなどの領域をカバーし、モデルを使って問題のあるプロセスを自動的に除外しました。3つ目は、多数の実践環境での強化学習(agentic RL)です。ナレッジワークや一般的なプログラミングに加え、計算コアの最適化、ウェブ開発、コンピュータ支援設計といった特定領域も含まれます。
安全性の項目から読み取れるシグナル
安全対策は能力に合わせて調整されています。注目すべきは、公式が明示したいくつかの方向性です。脆弱性の修正、エンジニアリング設計サイクルの加速、AI研究の強化。これらはすべて安全上センシティブな領域ですが、仕様書に記載されたということは、これらの用途が明確に許可されたことを示します。導入前テストの規模は歴史上最大とされ、導入後テストと第三者によるテストも実施されています。
総合スコアはGPT-5.6に並ぶ、10項目ではFable 5が最多トップ
今回の売り文句は「AAインテリジェンス指数(Artificial Analysis Intelligence Index)でGPT-5.6 Solに並んだ」というもの。GPT-5.6 SolはOpenAIの現在のフラッグシップモデルです。この指数は9つのテストを合成した総合スコアです。
公式は同時に、10項目の内訳表も公開しました。これを開いて1位の数を数えると、話は少し変わってきます:
1位の数を数えてみましょう。Fable 5 Max が5項目、Grok 4.6 が3項目、GPT-5.6 Sol Max が2項目を獲得しています。つまり「GPT-5.6 に並んだ」という表現は、9テストを合成した総合スコアでのみ成立し、10項目の内訳で最も多く1位を取ったのは Fable 5 Max です。
Grok 4.6 が得意とする分野は2つに集中しています:ナレッジワークと法律です。ナレッジワークの2項目(GDPVal-AA 1753、AA-Briefcase 1577)はともに1位。法律の項目は差が最も顕著で、Grok 4.6 が15.8%に対し、GPT-5.6 Sol Max は2.5%と、6倍以上の差がついています。
弱点も明確です:Terminal-Bench は26%で、GPT-5.6 の34.6%、Fable 5 の34.1%に8ポイント以上差をつけられています。これはターミナル内での作業能力を測るもので、公式の文章では言及されておらず、表の中でのみ確認できます。
一方、前世代との比較では、進歩は確実です。Terminal-Bench は15.7%から26%へ、APEX-Agents は47.1%から57.5%へ、DeepSWE は54%から65.9%へ、AA-Briefcase は1313から1577へと向上しています。
仕様書2ページよりも、1つのプロンプトが効果的
公式は長いタスクで1つの変化を観測しました。モデルが自分自身をテストし始めたのです。1つのステップを終えると、まず自分の作業をチェックしてから次に進みます。
実測では、この挙動には明示的に呼び出せるスイッチがありました。たった1文です。
やり方はこうです。同じ「スプレッドシートアプリを作る」というタスクを、2つのモデルにそれぞれ2回実行させます。1回は2ページの仕様書を渡し、ツールバーのすべてのボタン、すべてのショートカットキー、すべての計算式を詳細に記述。もう1回は3行のプロンプトだけを渡します:
結果はほぼ同じでした。実際に結果を変えたのは、この1文を追加したことです:
これを追加すると、モデルは自分でアプリを開き、実際のユーザーパスに沿ってクリックし、ネストされた数式が正しく計算されるかを確認し、見つけた問題を修正します。これが数週間の中で最も効果の高い1つの変更でした。
このループが回るには前提条件があります。モデルのブラウザ操作能力が十分に高いことです。「自分で開いて確認する」能力がなければ、その後のすべては始まりません。
検証をスキップするとどうなるか
反面教師となるのは、後述の Excalidraw プロジェクトです。ある実行後、サマリーは完了したように読めましたが、「ビューの追加」機能は実際には動いていませんでした。「実行してみせて」の1文で、壊れた import がようやく露呈しました。
言い回しは重要でない、長さが主導権を決める
同じ一連の実験で、プロンプトのスタイルもテストされました。結論は3つです。
長い仕様書が無効になったわけではありません。彼はフィードバックコンポーネント用に詳細な仕様を渡しました。セッションキャプチャ、サーバーサイド処理、クラウド Agent ディスパッチを含むもので、モデルはエンドツーエンドで追従し、構造も合理的でした。ただし具体的な問題が1つ:明示的に分割を要求しない限り、コンポーネント内で自分自身を繰り返します。
出力が自分で検証しにくいほど、あなたの監視が必要
実測全体を通じて最も応用が効く判断基準はここにあります。人間の介入が必要な場所は、すべて同じ根本原因に遡ります。モデルが自分の作業を検証できるかどうかです。
したがって、実用的な対策は2つだけです。「見る」手段を与えるか、自分でチェックすることを受け入れるか。
同じ原理は、検証が難しい出力にも当てはまります。3Dシーンに「マテリアルを改善して」と言っても、進展はありません。次の文に変えると、すぐに効果が出ます:
5つのプロジェクト実測:4.6 の初回バージョンは明らかに完全度が高い
以下の6本はすべて、同じプロンプトを隔離されたワークスペースで 4.5 と 4.6 にそれぞれ実行させ、左右に並べて録画したものです。先月の記憶に基づくものではありません。
数日間使ってみて、動画はモデル間の差が最も出る分野です。ウェブアプリでは互角に感じる2つのモデルでも、ここでは大きく差がつくことがあります。
サマリーは情報密度が高く、応答は高速—使い方は非同期から同期へ
作るものだけでなく、使っていて感じる手触りも変わりました。
要約には実際の内容が詰まっており、タスクを繰り返すだけではありません。実行中の短い更新で、中断すべきかどうかを判断できます。
変更するファイルが少なければ静かで、多くのファイルを変更し始めた時だけ説明します。この塩梅の調整は想像以上に難しいですが、それでも役に立たないことを言うことはあります。
速度の違いはより大きな影響を与えます。4.5 も速いですが、4.6 は速い上に明らかに賢い。この組み合わせが、作業スタイルを同期型に戻しました。大量のコンテキストを事前に用意して待つのではなく、少しだけ取り、確認し、次に進む。同じセッションで長いタスクに切り替えたい場合は、声をかけるだけです。
トレードオフはここにあります。非同期は人がいない間に多くの作業ができる一方で、手がかりを失い、最後に冷めた頭で巨大な diff をレビューすることになります。結果を本当に重視するなら、同期側にいる方が価値があります。
彼がついでに片付けた雑務
数週間の作業の大部分は普通の仕事でした。ウェブサイトのナビゲーション(特定のサービスプロバイダのコンソールにログインして API キーを作成することも含む)、実行中のアプリの機能・ビジュアル QA、受信トレイを本当に返信が必要なメールに絞り込むこと、2つの機能のリリースツイートの下書き、そして Remotion でそれらの発表動画を作成すること。
彼が今も自分でチェックしている場所
出力を「見た目の良さ」で判断する作業、動き、3D、最終的な仕上げは、彼はまだ自分で介入します。なぜなら、これらにはテキストでの説明ではなく、参考画像とスクリーンショットのループが必要だからです。さらに彼は、「完了」という一言を信じるのではなく、受け入れ基準を書き留めます。
彼が 4.6 をデフォルトのモデルにする理由は、特定の分野で最も優れているからではありません。尖ったモデルもいます。特定の1つのことには非常に優れていますが、日常の仕事は特定の1つのことではありません。彼が求めるのは、自分が十分に理解しているモデルです。どう振る舞うか分かっていて、任せられる信頼性があり、欠点も無意識に回避できるほど熟知しているモデルです。
プロンプト原文と活用法—コピーしてすぐ使えます
以下の文はすべて数週間の実測から得られたものです。英文が原文なので、そのまま使えます。
Verify the function and design after implementation, and keep on iterating and verifying until it's production ready.
タスクの説明の最後に追加します。モデルが自分でアプリを開き、実際のユーザーパスに沿ってクリックし、計算が正しいか確認し、見つけた問題を修正するようになります。この1文は、数週間の中で最も効果の高い変更でした。
capture the current frame, list what's wrong with it, then fix only those things
run it and show me
3番目の文は簡単に見えますが、これこそが「サマリーは完了を示しているのに、機能が実際には動かない」というケース(壊れた import)を露呈させたものです。
Build a polished Sheets/Excel-style app in Next.js and an AI chat that can analyze the sheet. Use the Cursor SDK for all AI features. Preload a realistic sample workbook so it looks good immediately.
効果がなかった表現
「頑張って」のような促しの言葉は、あってもなくても結果はほぼ同じ。同様に「完成するまで続けて」も、モデルは元々長く動き続けます。
「マテリアルを改善して」のような検証手段のない要求は、3Dシーンでは全く進展なし。上記②の文に置き換えると効果的です。
7つの活用法
使い方:アクセス方法、価格、初週2倍枠
アクセス方法は3つあります。Cursor、Grok Build、そして公式 API(console.x.ai)。その他、OpenRouter、Vercel、Cloudflare などからも利用可能です。
価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力6ドルで、4.5 と同じ。fast 版は2倍ですが、速度の向上度合いは非公表。初週は Grok Build と Cursor で利用枠が2倍になります。
Grok 4.6 発表:総合スコアは GPT-5.6 に並ぶ、10項目の勝者は別モデル
価格は据え置き。数週間使ったエンジニアの対照実験が、仕様書2ページよりも効く1文を発見。
↓ 1ページで完結 · 動く図あり
xAI が Grok 4.6 を発表。4.5 の基盤の上で、長時間稼働する Agent(AIエージェント)と、より野心的なインタラクション・ビジュアル処理に注力。価格は据え置き、Cursor、Grok Build、公式 API で当日から利用可能です。
今回の売り文句は「GPT-5.6 Sol に並んだ」というもの。AAインテリジェンス指数(Artificial Analysis が9テストを合成した総合スコア)での比較です。10項目の内訳で1位を数えると、話は変わります。
Grok 4.6 はナレッジワークと法律に強み。弱点はターミナル作業で、この項目は公式の文章では言及されず、表の中でのみ確認できます。ベンチマークはすべて xAI の自己測定で、競合の数値は各社公開資料の最良スコア。第三者による統一再テストはありません。
Grok 4.6 を日常的に使い込んでいるエンジニアが対照実験を実施。同じスプレッドシートアプリ作成タスクで、1回は2ページの仕様書(ツールバーの全ボタン、ショートカットキー、数式を詳細に記述)、もう1回は以下の3行だけ。結果はほぼ同じでした。
実装後に機能とデザインを検証し、本番投入できる状態になるまで反復と検証を続けてください。
これを加えると、モデルは自分でアプリを開き、実際のユーザーパスをクリックし、ネストされた数式の正しさを確認し、見つけた問題を修正します。前提条件はモデルのブラウザ操作能力が十分に高いことです。これは xAI が長いタスクで観測した現象(モデルが自分の作業をチェックしてから次に進む)と一致します。一方は xAI の観測、もう一方はユーザーが直接使えるスイッチです。同じ実験で、プロンプトの言い回しや長さ自体の影響は小さく、結果を大きく変えたのはこの検証要求の1文でした。
人間の監視が必要な場所は、すべて同じ根本原因に遡ります。モデルが自分の作業を検証できるかどうかです。ウェブサイトは最も簡単、3D はより難しく、動画と物理が最も難しい。
3Dシーンに「マテリアルを改善して」と言っても進展なし。「現在のフレームをキャプチャして、どこが間違っているかをリストアップし、それらの箇所だけを修正して」に変えると、すぐに効果が出ます。「見る」手段を与えれば、問題は半分解決します。
前世代と同じ
Fable5/Grok4.6/GPT5.6
8ポイント以上遅れ
2ページにびっしり
AIチャット付きで
本番投入できるまで反復と検証を。
数式の正しさを確認し、問題を修正
実測は Eric Zakariasson 氏
本番投入できるまで反復と検証を。
