OpenAI DevDay 2026の25項目のアップデート:自分で働くDots、5分の1価格の新モデル、500ドルのPro
自分で働くDots、5分の1の価格のGPT-6.1 Sol、クラウドに移ったCodex。OpenAIが今回引き受けようとしているのは、AIが回答し終えたあとの仕事だ。25項目のアップデートを一つずつ分解し、今どれが使えるか、いくらかかるかを一度に整理する。
OpenAIは昨日のDevDayで、25項目の主要アップデートを一挙に発表した。仕事を継続的にフォローしてくれる個人エージェントのDots、より安価なGPT-6.1 Sol、生成を高速化するUltrafast、そして再設計されたCodexのクラウド体験である。
中でも最も試したくなるのは、人が離れたあとにAIがどれだけ仕事を進められるかという点だ。パソコンを閉じてもCodexのクラウドタスクは走り続ける。毎回背景を説明し直さなくても、Dotがプロジェクトのフォローを引き継ぐ。書き上げたドキュメントにも、共有・編集し、同僚に続きを任せられる場所ができた。OpenAIは、ユーザーがAIに任せる仕事をチャット画面の外まで続けさせようとしている。
モデルのアップグレードにも見どころがある。OpenAIの評価によれば、GPT-6.1 Solは一部のプログラミングや専門業務でAstraに迫りながら、標準の入力・出力単価はその5分の1にとどまる。Ultrafastは別の道を行く。多く払う代わりに、生成の待ち時間を短くするのだ。前者は複雑なタスクを手の届くコストにし、後者はヘビーユーザーの待ち時間を減らす。
今回のアップデートには、チーム向けドキュメント、会議メモ、プラグイン、そしてChatGPTのサブスクリプション枠をサードパーティ製ツールに持ち出す新しい使い方も含まれる。ただし、すでに提供済みのものもあれば、まだプレビュー中や配信待ちのものもある。以下、公式の25項目リストに沿って一つずつ見ていく。それぞれ何ができるのか、誰が使えるのか、いくらかかるのか、そしてどの変化を今すぐ試す価値があるのか。

プロアクティブな知能:常時稼働のエージェント、より安いモデル、より速い速度
1. Dots:退勤しないAIの同僚
DotsはChatGPTに新しく登場した常駐型エージェントである。 目標を与え、権限の範囲を決めれば、あとは一問一答で指示しなくても自分でずっと作業を続ける。各自が自分のDotに名前を付けられる。

まずは仕組みから見ていく。
- 自分のコンピューターを持つ。 各Dotは独立したクラウド上のコンピューターとブラウザを持ち、コードを書いてテストできる。いつでもそのコンピューターを開いて何をしているかを確認でき、途中の一手を引き取ってから返すこともできる。明示的に許可しない限り、あなた自身のノートパソコンには触れられない。
- あなたのソフトウェアにつながる。 プラグインを通じて4,000以上のアプリに接続できる。ChatGPT(Web、スマートフォン、デスクトップ)、Slack、Teamsのどこからでも呼び出せ、音声通話もかけられる。SMSチャネルも間もなく開放される。どのチャネルから話しかけても、文脈はつながっている。
- GPT-6 Astraで動く。 AstraはOpenAIの現時点で最も強力なモデルである。
任せるなら、長期的な職責が向いている。たとえば次のようなものだ。
- 開発者: 顧客フィードバックで繰り返し出てくる要望を追い、小さな改善やバグ修正の範囲を自分で切り出し、実装とテストを終えて、変更のデモ動画を添えたPRをレビューに回す。
- 科学者: 新しいデータが届いたら分析をやり直し、想定外の結果を追跡し、論文の図表を更新して、確認してほしい箇所に印を付ける。
- 営業責任者: 製品ドキュメントと突き合わせて顧客要件を確認し、重要な連携の概念実証を作り、要件の変化に合わせて提案書を更新する。
- コンテンツクリエイター: インタビューの文字起こしを受け取ったら、切り出しに向く部分を選び、番組ノートを書き、SNS投稿の下書きを作って承認を待つ。



Altmanは壇上であえて難しい例を挙げた。旧APIが廃止される前にアプリを移行するというものだ。旧APIの呼び出しはコードベース全体に散らばっている可能性がある。Dotは依存関係をたどって修正すべき箇所をすべて洗い出し、コードを書き、テストを走らせ、最後にPRを出してチームのレビューに回す。従来のやり方なら、何人もがかなりの時間をかける作業である。
ライブデモはOpenAIプロダクトチームのHolly Liが担当した。架空のプレイリストアプリでリリース前日を想定し、彼女のDotの名前はDottieである。
- 朝の時点で、Dottieは彼女が確認すべき事項を整理済みだった。リリースレビューが前倒しになってカレンダーは修正済み、昨夜のテストユーザーのフィードバックは確認済み、デザインチームが急きょホーム画面を一版作り直し、そのデザインは彼女のスマートフォンに直接届いていた。
- Slackでは同僚の気軽な@が丸ごと一つのプロジェクトに化けることがよくある。彼女は今ではそのスレッドをそのままDottieに転送し、「引き取ってもらえる?」の一言で渡している。OpenAI社内には、グループチャットを作るときにまず各自のDotを招き入れるという新しい習慣まで生まれた。
- 彼女によれば、OpenAIのエンジニアのDotsは毎日数十件のバグを修正している。誰かがフィードバックチャンネルにセッションIDとユーザーが報告した問題を貼ると、Dotが調査を引き取り、修正のPRを出す。
デモは失敗もした。昨夜のユーザーテストの結果をDottieに尋ねると、ずっと「まだ確認中」と返すばかりだった。ノートパソコン上のCodexを呼び出して新しいホーム画面をiPhoneシミュレーター上のアプリにするよう頼むと、1回目はエラーになり、再試行しても時間切れまでに終わらなかった。

自分で手を動かすからこそ、Dotsで最も重要なのは制御である。
- どのアプリにアクセスできるかはあなたが決め、ルールも設定する。自分でやってよいこと、必ず先に確認すべきこと、決してやってはいけないことを分けられる。
- 誰からも呼ばれていないとき、Dotはバックグラウンドで「プロアクティブな調査」を行い、役に立てそうな所を探す。ただしこの段階では読み取り専用のツールしか使えず、メッセージの送信、内容の変更、あなたのブラウザやコンピューターの操作はできない。
- あなたのアカウントに影響する操作や外部に情報を送る操作は、まず自動審査を通る。パスワード変更のような機微な操作は、常に本人が行う必要がある。Webサイトへのログインには保存済みのパスワードを使えるが、パスワードがモデルに露出することはない。
- アクティビティビューがあり、バックグラウンドの作業も含めて進捗を確認できる。
料金面では、最初のDotはPro(100ドルプランを含む)とBusiness Premiumプランに含まれ、追加料金はかからない。提供開始から最初の1か月は利用枠が多めに設定される。DotとのチャットはChatGPTの利用枠を消費しないが、Dotがあなたの代わりにCodexやChatGPT Workで起動したタスクは通常どおりカウントされる。Enterpriseは管理者がベータ版を有効にするのを待つ必要がある。初期段階ではデスクトップからしか作成できず、Proユーザーのうち欧州経済領域、英国、スイスは初回の提供対象外である。
企業向けにはさらに進んだ形態として、専任Dotがある。特定の個人の代わりに働くのではなく、社内で一つのポジションを担い、独立したID、認証情報、システム権限を持つ。OpenAI社内ではすでに調達、請求書処理、メールマーケティング、カスタマーサポート、契約締結といった職務で試されている。現在は小規模な企業パイロットの段階で、OpenAIのエンジニアが企業と直接、職責、ツール、承認フローを定義する。Microsoft側はこれをAgent 365に組み込み、企業は既存のMicrosoftツールで管理できるようになる。
私の見方では、Dotsの形はMetaが最近出したMuseとよく似ている。名前を付けられる点もキャラクターアイコンの点も同じだ。その能力の多くは、詳しい人ならCodexのようなエージェントフレームワークで以前から組めたものであり、Dotsはそれを一般の人が設定なしで使える製品にまとめたということだ。使い勝手は1回のデモでは分からない。1週間続けて使い、フォローすべき事柄を正しくつかむか、あなたの訂正を覚えているか、止まって確認すべき場面で止まるかを見る必要がある。
2. GPT-6.1 Sol:最強モデルに迫る知能を5分の1の価格で
OpenAIの現行GPT-6ファミリーには3つのモデルがある。Astraが最強、Solが中位、Lunaが最安だ(GPT-6 SolとLunaの発表解説)。GPT-6.1 SolはSolの大型アップグレードで、エージェント型プログラミング、コンピューター操作、専門業務を主な狙いとし、知能はAstraに迫り、標準の入出力価格はAstraの5分の1にすぎない。

価格(API、100万トークンあたり):
| モデル | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | 10ドル | 1ドル | 50ドル |
| GPT-6.1 Sol | 2ドル | 0.10ドル | 10ドル |
| GPT-6 Luna | 0.10ドル | 0.01ドル | 0.50ドル |
価格表をよく見ると、Solの標準価格は1週間前のGPT-6 Solと同じで、下がったのはキャッシュ価格である。標準入力より95%安く、前世代Solのキャッシュ価格と比べても半分以下だ。キャッシュ価格は同じコンテキストを繰り返し読み込むときの課金で、エージェントは一つのタスクで何十回もリクエストを往復させるため、請求額の大部分はここに来る。だからエージェントを作る人ほどキャッシュ価格を見るべきだ。
OpenAIが公表した評価では、Solと競合の比較は次のとおりである。
- DeepSWE(実際のコードベースでのソフトウェアエンジニアリングタスク): 約5分の1のコストでAstraに並び、前世代Solの最高成績を6.4ポイント上回る。
- GDP.pdf(複雑なPDFを読んで専門的な質問に答える): すべての推論レベルでOpus 5.5を上回り、1タスクあたりのコストはその半分未満。
- AutomationBench(47種類のツールを使って多段階の業務フローを完遂する): 中程度の推論強度でOpus 5.5を2.2ポイント上回り、コストは約3分の1。
- OSWorld 2.0(長い手順のコンピューター操作): Astraとの差は2.1ポイント以内で、1タスクあたりのコストは約7分の1。
- Terminal-Bench Science(研究タスク): 1タスクあたり平均5.47ドルで、Opus 5.5は23.21ドル、Astraは23.80ドル。ただしスコア首位は依然Astra(68.1%)で、最も難しい研究作業はAstraに任せるべきだ。
- 事実誤り: 間違えやすい難問を集めたテストで、低推論強度では事実誤りを含む回答が11.4%から7.7%に減った。最高レベルではSolが4.1%、Astraが4.0%で、ほぼ互角である。
- 誠実さ: 検索ツールが壊れたら、答えをでっち上げずにユーザーへ伝えるべきだ。それを伝えなかった割合はSolが2.1%、前世代Solが4.9%、Astraが1.5%、Lunaは28.7%にのぼる。


DeepSWEの元データからは、使う側にとってより役立つことも読み取れる。推論強度は高ければ高いほど良いとは限らない。
| モデル | 推論強度 | 1タスクあたりのコスト | スコア |
|---|---|---|---|
| GPT-6.1 Sol | 中 | 0.42ドル | 73.0% |
| GPT-6.1 Sol | 高 | 0.65ドル | 75.2% |
| GPT-6.1 Sol | Max | 1.57ドル | 71.9% |
| GPT-6 Astra | 中 | 3.08ドル | 72.8% |
| GPT-6 Astra | 超高 | 4.43ドル | 74.1% |
| GPT-6 Astra | Max | 7.50ドル | 73.2% |
| GPT-6 Sol(前世代) | Max | 2.74ドル | 68.8% |
新しいSolは「中」で0.42ドルを使うだけで、同じレベルのAstra(3.08ドル)をわずかに上回る。最高成績は「高」で出ており、Maxまで上げるとコストは2倍以上になるのに、スコアはかえって3ポイント以上下がる。Astraも同様で、Maxは「超高」より高価なのにスコアは低い。したがって推論強度を選ぶときは、まず自分のタスクで「中」と「高」を試し、最大に設定するのを既定にしないほうがよい。
外部の独立した総合ランキングでは、Solが52点、Astraが53点で、タスクあたりのコストはSolがAstraの約22%である。「Astraに迫り、価格は約5分の1」という主張は成り立つ。首位は依然としてAnthropicのOpus 5.5(58点)だ。Solの勝負どころはコストパフォーマンスである。
仕様: コンテキストウィンドウは105万トークン、最大出力は12.8万トークン、テキストと画像の入力に対応し、推論強度は5段階。1回の入力が27.2万トークンを超えると価格は2倍になり、BatchとFlexは半額である。
Solはまだチャット画面には入っておらず、ChatGPT WorkとCodex(Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu)で提供されている。開発者はAPIのモデル名gpt-6.1-solで利用する。
3. Ultrafast:お金を多く払い、より速い出力を得る

Ultrafastは有料の高速化オプションである。 Codexではトークン生成が最大8倍速くなり、毎秒約300トークンに達する。APIでは6〜7倍速い。
エージェントは一つの作業に何十もの小さなステップを踏み、そのたびにモデルを待つ。モデルが少し速くなれば、待ち時間もその分短くなる。会場でAltmanは並べて比較する映像を流した。同じ「DevDayカラーで大きな舷窓の付いた白いロケットを作って、打ち上げて」という指示で、Ultrafast側ではロケットがすでに上昇しているのに、標準版はまだ組み立てにもほど遠い。
代償はお金だ。APIのUltrafastは標準価格の6倍で、Astra Ultrafastは100万トークンあたり入力60ドル、出力300ドルである。ChatGPTのプランでは、Ultrafastを使うと利用枠を8倍の速さで消費する。動作するのはCerebrasのチップ上だ。
現在使えるのはAstra Ultrafastである。APIでは提供開始済みで、ChatGPT WorkとCodexではPro 500とEnterpriseのみが使える。Sol Ultrafastは数日以内に登場する。価格はこれまでAstraの標準版を使っていたのとほぼ同じで、Astraに迫る知能と最大8倍の速度が手に入る。これは今回の発表全体で、開発者にとって最もお得な組み合わせかもしれない。
この料金を払う価値があるのは、人が結果を待って見張っている場面である。たとえばCodexでAIとペアプログラミングするような場面だ。バッチ処理は誰も待っていないので、Solの標準速度にキャッシュを組み合わせるほうがはるかに安い。
4. Private Intelligence:データを外に出せない企業のために

病院、銀行、法律事務所といった顧客の最大の懸念はデータである。Private IntelligenceはOpenAIがそうした顧客に向けた解決策で、2つの部分からなる。
-
Private Safety Processing付きのゼロデータ保持(ZDR)。 これはある矛盾を解消するためのものだ。企業がゼロデータ保持を有効にすると、OpenAIはプロンプトと回答を保持できない。一方でOpenAIは、モデルの悪用を防ぐための安全審査をしなければならない。そこで記録を顧客側に移す。安全システムが抽出した会話は暗号化されて顧客自身のクラウドストレージに書き込まれ、OpenAIは内容ではなくインデックスだけを保持する。審査が必要になると、人間のアクセスを禁じたハードウェア環境だけがこれらの記録を復号でき、自動で審査したうえで、決められた形式の安全シグナルだけを持ち出す。
「ゼロデータ保持」の正確な意味は、OpenAIがあなたのコンテンツを保持せず、安全記録はあなた自身のストレージに30日間置かれ、あなたが管理するということだ。さらに企業独自の鍵を一層加えられ、それを失効させると、これらの記録は誰にも復号できなくなる。
-
プライベート推論(プレビュー)。 機密コンピューティング技術を使い、モデルが回答を生成するその瞬間にもデータを検証可能な保護下に置く。今秋プレビューを開始する。
Altmanによれば、この仕組みはCisco、Databricks、Snowflakeといった大口顧客と共同で設計したという。
CodexとAPIで構築する:エージェントをクラウドへ、開発者により多くの部品を
CodexはOpenAIのプログラミングエージェントである。この分野の7項目のうち、4項目はCodex自体への機能追加、3項目は開発者向けのAPI部品だ。
5. Codex Cloud:パソコンを閉じても作業を続ける
Altmanは登壇するなり、ユーザーがXで最も強く求めていたCodexの3つの要望にチェックを付けた。CodexアプリのLinux対応、1つのプロジェクトで複数フォルダーにまたがれること、スマートフォンでもCodexを使えることである。

より大きな変化は実行場所にある。Codexには現在3つの動かし方がある。自分のコンピューターで動かす、スマートフォンから自分のコンピューターを遠隔操作して動かす、あるいはそのままクラウドで動かす。クラウドに置けば、タスクはあなたのノートパソコンが起動しているかどうかに左右されない。

新たに加わったのは再利用可能なクラウド開発環境で、一度設定すれば以後のタスクはすぐに走り出し、チームは承認済みの設定と権限を共有できる。
映像では、新しい環境の使い方がいくつか紹介された。
- パソコンを閉じても動き続ける: タスクはクラウドで動くので、ノートパソコンを閉じても止まらない。実行中のタスクにスマートフォンから指示を追加でき、イヤホンを着けたまま音声でセッションを始めることもできる。終わったら通知が来る。
- 対話形式の設定: 新しい環境を作るときにリポジトリを渡せば、そのリポジトリに何が必要か(ネットワーク、環境変数、シークレット)を自分で調べる。
- 一度設定すれば繰り返し使える: 設定後は名前付きの環境スナップショットとして保存でき、そこから複数の独立したタスクを同時に始められる。チームに共有する際、メンバーは自分のシークレットに差し替えられる。
- 仕上げ: 完了後はそのままPRを出すことも、新しいコードレビューのフロー(第7項)に回すこともできる。
会場ではRomain Huetがローカルとクラウドの引き継ぎをデモした。新しいクラウドタスクを作り、「バックエンド全体をRustで書き直して」と一言送っただけで別のデモに移り、あとで結果を見に戻った。
Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu、医療版で利用できる。
6. 刷新されたCodex CLI:話しかけられ、複数のタスクを同時に管理できる
CLIはコマンドライン上のCodexである。今回の変更点は次のとおり。

- 音声対話: 話しかけるだけでタスクを開始し、方向を修正できる。
- /agentsビュー: 作業を複数のエージェントに振り分け、一つの画面でそれぞれの進捗を確認できる。
- 日常的な磨き込み: プロンプトの編集がしやすくなり、以前のセッションを再開でき、Gitワークツリー(複数のタスクを互いに干渉しないコードのコピーで動かす仕組み)を内蔵し、長いセッションも読みやすくなった。
/agentsビューが扱うのは、マルチタスクの混乱である。AIが同時にいくつもの作業をしていると、どれが返信待ちで、どれがファイルを編集中で、どれが完了してレビュー待ちなのか、人間は最も分からなくなりやすい。タスクが増えるほど、このビューは役に立つ。
Romainは壇上で空のプロジェクトから始め、観客を無作為に3人選んで次回DevDayのチケットを贈るアプリをCLIに作らせた。数秒でページができあがり、さらに「6人に変えて」と言うとページはすぐに更新され、その場で6人の観客が選ばれた。本来は音声でデモする予定だったが、当日は音声が起動せず、タイピングに切り替えた。すべてのプランで利用できる。
7. コードレビュー:あなたがいない間に、Codexが先に目を通す
ChatGPTのデスクトップアプリに専用のコードレビュー画面ができた。まず変更の要約を見て、次に具体的なdiffを深掘りし、疑問があればそのままCodexに聞ける。自動レビューを有効にすると、あなたがコンピューターの前にいない間にCodexがクラウドで先にレビューする。GitHubのPull RequestとGitLabのマージリクエストに対応し、すべてのプランで利用できる。

8. Codex Security Cloud:コードのセキュリティ脆弱性をAIに見張らせる
Security Cloudはセキュリティチーム向けで、Codexがクラウドでコードリポジトリを継続的に監視し、脆弱性を探す。

- 新しいコミットのたびに監視することも、GitHubリポジトリ全体をオンデマンドまたは定期的にスキャンすることもできる。
- 問題を見つけると、自分で調査し、重複を除き、修正パッチを用意する。すべてクラウドで完結し、ノートパソコンを閉じても動き続ける。
- OpenAIのサイバーセキュリティプログラムにある防御寄りのDaybreak Blueモデルも併せて使え、別途申請する必要はない。
スキャン自体は難しくない。時間がかかるのはスキャン後の作業、つまり本当の問題かどうかの判断、重複の除去、原因箇所の特定、パッチ作成である。Security Cloudはこの一巡りもセキュリティチームに代わって先に済ませる。現在はリサーチプレビューで、Pro、Business、Enterprise、Edu向けに、Codexのデスクトップ版とWeb版でプラグインとして提供される。
9. Decisions API:選択問題だけを解く高速モデル
課題: 多くのアプリには「小さな判断」がある。このチケットをどのチームに回すか。このコンテンツはどの分類か。エージェントは次にどのツールを呼ぶか。現状では大きなモデルを呼び出し、決められた形式だけを出力させ、形式をチェックするコードを書いて、失敗したら再試行するのが普通で、遅くて回りくどい。
やり方: 質問といくつかの固定の選択肢を定義し、テキストか画像で文脈を渡すと、選択肢から一つを選んでそのまま返す。裏で動くのはGPT-6 Luna、つまり最も安いモデルである。
同じ1万件のカスタマーサポート依頼を請求・技術・営業の3つに振り分けると、通常のResponses APIでは1件あたり約1.6秒、Decisions APIでは1件あたり約150ミリ秒で、ほぼ10倍速い。
会場では、これを使ってコンピューターを操作し航空券を予約するデモも行われた。映像は早送りしていないのに、各ステップがほとんど一瞬で過ぎていく。もう一つの用途はロボットだ。Romainは最後に、Hugging Faceが未発表のプログラム可能な小さなアヒル型ロボットMicroDuckを登場させた。視覚にはAstra、画像生成にはGPT Image 2.5、リアルタイム音声にはGPT Live 1を使っている。ロボットを作っている仲間が最も期待しているのは、画像を読めるDecisions APIを使って、ロボットが見たものに応じてほぼリアルタイムに動作することだと彼は語った。

この種のモデルはSystem One(速い思考)と呼ばれ、TypeSafeが少し前に出したJevと発想が通じる。強力なモデルに大きな方向性を考えさせ、高速な判断モデルに一歩ごとの動作を選ばせるというものだ。使うときは選択肢に「人間による確認が必要」を一つ残しておき、あいまいな入力が誤った分類に無理やり押し込まれないようにしたい。現在は数量限定のプレビューで、数日以内に全面開放される。
10. Agents APIに「コンピューター操作」が追加:あなたのエージェントがソフトウェアを直接操作する
Agents APIはOpenAIのクラウド型エージェントホスティングサービスで、サービス自体は以前から提供されている。今回の新機能はコンピューター操作である。

長時間働けるエージェントを作るには、モデルだけでは足りない。コンテキストを管理し、ツールを呼び出し、複数のサブエージェントを調整し、さらに何日も連続で動ける実行環境が必要だ。この一式を「実行フレームワーク(harness)」と呼び、Agents APIはCodexが使っているものをそのままホスティングして提供する。
- 1回のAPI呼び出しでクラウドエージェントを作れる。 タスク、モデル、ツール、実行環境を指定するだけだ。
- 環境は自分で選べる: OpenAIがホストするサンドボックス、自社のインフラ、あるいはCloudflare、Vercel、Modalといったパートナーの環境。
- 標準で備わる機能: コンテキストが一杯に近づくと自動で圧縮し、ツールを必要に応じて読み込み、複数のサブエージェントが並行して作業する。
- 課金: Agents API自体は無料で、トークンとツールの使用量に応じてのみ課金される。
新たに加わったコンピューター操作により、あなたのエージェントは人間のようにクリックし、入力し、ソフトウェアの画面を操作できる。現実には、使いやすいインターフェースをまったく持たないシステムが多く、Webページを開いて状態を見てボタンを押すしかない。コンピューター操作が埋めるのはまさにこの部分である。APIから利用でき、Pro 500とEnterpriseのユーザーはCodexとChatGPT Workでも使える。
さらにAltmanはCodex Harnessのオープンソース化を発表した。これはCodexとChatGPT Workを動かし、今ではDotsも動かしているもので、開発者はそのまま使って自分のエージェントを組める。
OpenAIのポストトレーニング研究責任者Tejal Patwardhanは、コンピューター操作について2組のデータを示した。速度面では、モデルにループの中で遅延を下げる改善を繰り返し探させ、それを正式なフレームワークに取り込んだ結果、コンピューター操作の遅延は2倍以上改善し、すでに提供されている。安全面では、コンピューター操作の安全性ストレステストで、ユーザーの意図から外れた行動の割合がClaude Fable 5.1で9.5%、Opus 5.5で6.1%、GPT-6 Astraで2.4%だった。

彼女は研究の進捗を示す数字も挙げた。人間が1日ほどかける研究タスクは、年初にはモデルでほとんどこなせなかったが、年半ばには3分の1超を人の手を借りずに完了できるようになった。
Romainはいくつかのデモでこれらの能力を見せた。Astraがブラウザ経由で初見の3D宇宙ゲームを乗っ取り、自分でスタートを押し、宇宙船を選んで操縦する。彼がスマートフォンのシミュレーター上のアプリをAppShotで撮り、「さまざまな画面サイズで私のアプリをレビューして」と一言言うと、Codexは自分でシミュレーターを操作し、アプリを開き、機能を一つずつ試してスクリーンショットを撮った。

API全体も高速化した。ツール呼び出しは30%以上速く、最初のトークンは45%以上速くなり、Responses APIの可用性は99.9%以上である。

11. Amazon Bedrockマネージドエージェント:丸ごとAWSの中で動く
データも調達もAWSにある企業向けに、この項目は「OpenAIのエージェントを使いたいが、AWSからは出たくない」という問題を解決する。Bedrockマネージドエージェントは、Agents APIの中核機能をベースにAWSのカスタマイズと連携を加えたもので、顧客自身のAWSリソース上で、既存のアプリやデータのすぐそばで動く。AWSの顧客はGPT-6 Astra、Ultrafast、Codex、ChatGPT Workも利用できる。

プラグインでChatGPTをカスタマイズ:ChatGPTを自社製品の入り口にする
2023年のGPTsから、その後のChatGPT内のアプリまで、今はすべてプラグインに統一された。毎週12億人のユーザーを抱えるChatGPTが、自ら機能を作るのに使っている基盤を今回開発者に開放した。この分野の4項目はすべて開発者向けである。
12. プラグイン拡張:ChatGPTの中で一つのアプリを丸ごと作る
以前のプラグインは「ChatGPTから呼び出せるツール」に近かったが、今は「ChatGPTの中の完全なアプリ」にまで育てられる。 開発者は次のことができる。

- サイドバーにプラグイン専用の入り口を設ける。
- インタラクティブなパネルを作り、ユーザーがチャットしながら操作できるようにする。
- 自社製品が扱うファイル形式のビューアーを作る。
Altmanは2つの例を挙げた。一つはOpenAIが新たに作った会議アプリで、これ自体がプラグイン拡張で作られている。チャットの中で次の会議を確認し、「ChatGPTでメモを取る」を押すと、メモのページがそのままChatGPT Spaceになり、同僚やDotsがそこでToDoをフォローする。もう一つはFigmaだ。ChatGPTの中でデザインを開き、チームのコメントを見て、ChatGPTに一版修正させる。デザインと会話が並行して進む。すべてのプランで利用できる。
13. 作成・申請・発見がより手軽に
- 作成: プラグイン作成ツールが構築を手伝う。
- 申請: 申請フローが作り直され、審査の進捗、修正が必要な箇所の確認、人間による再審査の申請ができるようになり、プラグインを更新するときも最初から申請し直す必要がなくなった。
- 発見される: プラグインライブラリでの検索に加え、ユーザーが質問したときにChatGPTがあなたのプラグインが役立つかを判断し、その場で接続できる。
- 決めるのはユーザー: どのプラグインを使うかはユーザー自身が選び、各プラグインの権限は一つずつ承認する。

プラグイン開発者にとって最も影響が大きいのは会話内の自動推薦で、毎週12億人の質問がすべて配信の入り口になりうる。これは検索エンジンの推薦枠にもよく似ており、今後どう順位付けされるのか、課金されるのかは、引き続き見守る必要がある。すべてのプランで利用できる。
14. プラグインと連携したSites:チームが各自の権限で同じアプリにログインする
SitesはChatGPTでWebサイトを作る機能で、公開から数か月でユーザーはすでに数百万のサイトを作っている。今後これらのサイトはChatGPTプラグインと連携できる。チームのメンバーはそれぞれのアカウントで同じアプリにログインし、自分が接続したデータと権限を使い、見える内容も人によって異なる。財務ダッシュボード、イベント予約、プロジェクト管理、予算計画、多人数のミニゲームなどがこの形で作れる。Business、Enterprise、医療版、Educationが対象である。

15. MCPイベントによる自動化:何かが起きたら自分で動き出す
MCPはAIを外部ツールにつなぐためのオープンなプロトコルである。今回ChatGPTはMCPのイベント機構に対応した。接続したアプリで何かが起きると、それをきっかけにプラグインのワークフローを自動で起動できる。

これは通常のツール呼び出しとは方向がちょうど逆だ。通常の呼び出しではAIが外部システムに「何か新しいことはあるか」と自分から聞きに行き、何度も確認しに戻る必要がある。イベントでは、外部システムに変化があるとすぐに向こうから知らせが届く。流れはおおよそ次のとおりである。あなたのサービスがどのイベントに対応しているか(たとえば「新しいコメントが投稿された」)を宣言する。ユーザーがChatGPTに何を見張り、見つけたらどう処理するかを伝える。ChatGPTがあなたのMCPサーバー経由で購読する。以後、条件に合う変化があると、あなたのサービスがイベントを送り、ChatGPTは元の会話の中で指示どおりに作業を続ける。
たとえばChatGPTにプロジェクトボードを見張らせておけば、新しいタスクが入るたびに、あなたがいるかどうかにかかわらず、関連ドキュメントを読んで計画を起草する。すべてのプランで利用できる。
人とAIの協働:共有のワークスペース
この分野の7項目はまとめて見るとよい。これらが組み上げるのは「人、ChatGPT、Dotsが一緒に働くオフィス」である。
16. ChatGPT Space:チームとAIが共有する場所
チームを専用のスペースに招き入れれば、ChatGPTを含むすべてのメンバーが、共通の目標とこれまでの成果を踏まえて作業を続けられ、毎回背景を説明し直す必要がない。ChatGPTに会話をページやスライドに変えてもらうこともできる。ChatGPTはまず要件を確認し、あなたの目の前で下書きを作る。自分で直しても、もう一度ChatGPTに直させても、同僚を呼んで一緒に直してもよく、ツールを切り替える必要は一切ない。これは従来のLibraryに代わるもので、「共有ドライブとグループチャットを合わせたもの、ただしメンバーの一部はAI」と考えればよい。

Pro、Business、Enterpriseで利用でき、Webとデスクトップでは作成・編集ができるが、スマートフォンでは現在閲覧のみである。Plusは対象外だ。
17. Pages:人とエージェントが一緒に編集する新しいドキュメント
Pagesはプロジェクト計画、レポート、ビジュアル案の作成に向いている。中ではChatGPTやあなたのDotと一緒に、グラフ、インタラクティブなダッシュボード、画像を生成できる。同僚はコメントしたり直接編集したりでき、さらにあなたのDotやChatGPTを@して内容の修正や次の作業を頼める。

Hollyはデモで同僚2人とDottieを@し、「chart, please」と一言言うと、ページにフィードバックの種類で絞り込めるユーザーフィードバックのグラフが追加され、Dottieが1時間ごとに更新するようになった。ページは接続したツールから自動更新するようにも設定でき、たとえば仕事の進み具合に応じて変わるToDoリストを作れる。
チームで使う前に権限には注意が必要だ。ページを共有しても、あなたの個人的なチャットやメモリーが一緒に共有されることはなく、外部ファイルへのアクセス権が渡ることもない。ただし、ChatGPTがその内容を抜粋または要約して共有ページに入れた時点で、ページを見られる人全員がそれを読めるようになる。どんな内容を共有ページに入れてよいか、先にルールを決めておくのが望ましい。Pro、Business、Enterpriseが対象である。
18. 共同編集スライド:複数人とAIが同時に一つのプレゼン資料を直す
新しいプレゼンテーションエディターである。

- ネイティブに編集できるグラフのほか、テキスト、図形、画像を扱える。
- 会話をそのままスライドにすることも、自分のテンプレートから始めることもでき、作りながらChatGPTにフィードバックできる。
- 複数人で同時に編集・コメントしたり、ChatGPTに直してほしい箇所に印を付けたりできる。
- 完成したらそのままChatGPTの中で発表でき、PowerPointやGoogle Slidesに書き出して編集を続けることもできる。
Altmanの言い方では、これは「エージェントが読み取りやすく、修正もしやすいスライド」である。重視しているのは、複数人が何度もやり取りしながら直すときに、内容、レイアウト、修正意見が同じ場所に残ることだ。今後数週間で提供され、Pro、Business、Enterpriseで利用できる。
19. チームを作り、タスクを共有する:繰り返しの作業をChatGPTに任せる
ChatGPTで同僚をチームに招き入れると、ページ、プレゼン資料、表を共有できる。さらに便利なのがチームタスクだ。たとえば毎週のプロジェクト進捗報告なら、要件を説明すると、ChatGPTが接続済みのツールで情報を集め、アクションを実行する。定期実行も、変化をきっかけにした実行も可能で、たとえば新しいメールや新しいSlackメッセージが届いたときに動かせる。チームメンバーは一緒に指示を編集でき、仕事の優先事項に合わせてタスクを変えられる。実行にはチームのサービスアカウントが使われ、特定の個人の全権限を借りることはない。BusinessとEnterpriseが対象である。

20. SlackとTeamsで@ChatGPT
チャンネル、スレッド、ダイレクトメッセージで@ChatGPTすれば、議論をプロジェクト概要にまとめさせたり、バグを調査して修正案を用意させたり、毎朝顧客の動向を送らせたりできる。管理者が接続したツールを使えるほか、あなたが許可した範囲であなたのツールも使える。細かい点として、ChatGPTアカウントを持たない同僚も、同じ会話の中で文脈を補足し、一緒に結果を仕上げられる。BusinessとEnterpriseが対象である。

21. 会議プラグイン:会議が終われば、議事録とToDoが自動でそろう
会議プラグインで会議の音声を録音すると、議事録はChatGPT Spaceに保存され、自分だけが見ることも、チームに共有することもできる。ChatGPTはこれまでの協働の背景を踏まえ、あなたに最も関係の深い要点、決定事項、次のステップを抽出し、ToDoの処理も手伝う。たとえば朝会のあと、新しい決定事項とブロッカーに合わせてプロジェクト計画を更新する。

議事録が生成されると録音は削除され、再生はできない。元の録音を残す必要がある場面では当てにしないほうがよい。現在はmacOSデスクトップ版のベータで、ProとBusiness向け、Enterpriseは後日対応である。
22. 共有できるプロフィールページ:プラグインとサイトの名刺
プロフィールページは、あなたが作ったサイトとプラグインをまとめて紹介し、他の人が見つけて再利用しやすくする。チームメンバーは共有された「スキル」も見つけられ、スキルはワークスペース内でのみ共有される。小さなツールを作る人にとっては、リンクをあちこちのグループチャットに散らばらせておくよりずっと見つけやすい。Enterprise、Edu、医療版は近日対応で、その他のプランではすでに利用できる。

ChatGPTのサブスクリプションでもっと多くのことを:アカウント、プラン、調達
23. ChatGPTでサインイン:一つのアカウントで他の製品へ
提携製品にChatGPTアカウントでログインでき、パスワードを設定する必要がなくなる。相手側が受け取るのは名前、メールアドレス、プロフィール画像だけで、チャット履歴やメモリーは渡らない。

ログインだけでなく利用枠も使える。PlusとProのユーザーは、提携アプリの中で自分のChatGPTプランの利用枠をそのまま使え、各アプリで最大どれだけ使えるかは自分で決められる。初回は16社で、Devin、Notion、Vercel、Lovable、Warp、Amp、Conductor、Kilo、T3、OpenClaw、Dactylなどが含まれる。注意すべきは、これが既存の利用枠から差し引かれることで、アプリを一つ多くつないだからといって利用枠が一つ分増えるわけではない。

Altmanは壇上で、この種の試みは以前にもやったことがあり「結果は良し悪し半々だった」と率直に認めた。今回開発者にとっての利点は、推論コストをユーザーのサブスクリプションが負担するため、ヘビーユーザーのトークン代を立て替える必要がなくなることだ。代償として、あなたのログイン、ユーザーの利用枠、あなたのコスト構造がすべてOpenAIのアカウント体系に乗ることになる。
24. 新しいProプラン:月額500ドル
OpenAIは月額500ドルのPro 500を投入した。利用量はPlusの25倍で、5時間制限がなく、利用枠は「ChatGPTでサインイン」を通じて提携先のアプリでも使える。しかもChatGPTとCodexでUltrafastを使えるのはこのプランだけで、100ドルや200ドルのプランで追加の利用枠を買っても解放されない。現在Proは月額100ドル、200ドル、500ドルの3段階である。

200ドルプランにも変化がある。新規受付を再開したが、新規契約の利用量は縮小され、ChatGPT WorkとCodexではPlusの20倍から10倍に下がり、チャットでのGPT-6 Proのメッセージ数も週200件から100件に減った。既存ユーザーは移行期間中、従来の利用枠が維持される。200ドルプランのヘビーユーザーは、自分の利用量を計算し直したほうがよい。
アップグレードすべきかどうかは、毎日利用枠と待ち時間に足止めされているかどうかで決まる。一日中Codexで作業する人なら、500ドルで25倍の利用量とUltrafastを得るのは割に合うかもしれない。たまに使うだけの人にとっては、余分に払ったお金に見合う体験は得られない。
25. OpenAI Marketplace:OpenAIとの契約枠で他社のソフトウェアを買う
条件を満たす企業顧客は、OpenAIに約束済みの利用額の一部を使ってパートナーのソフトウェアを購入でき、ベンダーごとに個別の調達手続きを踏む必要がない。初回は32社で、クリエイティブ分野のAdobeとFigma、顧客体験分野のSierra、Decagon、HubSpot、Salesforce、ServiceNow、法務分野のHarveyとLegora、セキュリティ分野のPalo Alto NetworksとCrowdStrike、さらにオープンソースモデルを提供するBasetenが含まれる。現在はベータ版で、企業はまず関心を登録できる。

誰が今使えるかを一つの表で
| 番号 | 項目 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| 1 | Dots | 段階的に開放:Pro(初回は欧州経済領域、英国、スイスを除く)、Business Premium。Enterpriseのベータ版は管理者による有効化が必要。初回はデスクトップからのみ作成可能 |
| 2 | GPT-6.1 Sol | 提供開始:ChatGPT WorkとCodex(Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu)、API。チャット画面では未提供 |
| 3 | Ultrafast | Astra版は提供開始(API、Pro 500とEnterpriseのChatGPT WorkとCodex)。Sol版は数日以内 |
| 4 | Private Intelligence | Private Safety Processing付きのゼロデータ保持(ZDR)は利用可能。プライベート推論は今秋プレビュー |
| 5 | Codex Cloud | 提供開始:Plus、Pro、Business、医療版、Education、Enterprise |
| 6 | Codex CLIの更新 | すべてのプラン |
| 7 | コードレビュー | すべてのプラン |
| 8 | Codex Security Cloud | リサーチプレビュー:Pro、Business、Enterprise、Edu |
| 9 | Decisions API | 数量限定プレビュー、数日以内に全面開放 |
| 10 | Agents APIのコンピューター操作 | APIで利用可能。Pro 500とEnterpriseはCodexとChatGPT Workで利用可能 |
| 11 | Bedrockマネージドエージェント | AWS経由で利用 |
| 12 | プラグイン拡張 | すべてのプラン |
| 13 | 作成・申請・発見 | すべてのプラン |
| 14 | プラグインと連携したSites | Business、Enterprise、医療版、Education |
| 15 | MCPイベント | すべてのプラン |
| 16 | ChatGPT Space | Pro、Business、Enterprise。Webとデスクトップで作成・編集可能、スマートフォンは閲覧のみ |
| 17 | Pages | Pro、Business、Enterprise |
| 18 | 共同編集スライド | 今後数週間で提供:Pro、Business、Enterprise |
| 19 | チームとチームタスク | Business、Enterprise |
| 20 | SlackとTeamsでの@ChatGPT | Business、Enterprise |
| 21 | 会議プラグイン | macOSベータ版:Pro、Business。Enterpriseは後日 |
| 22 | プロフィールページ | 大半のプランで利用可能。Enterprise、Edu、医療版は近日対応 |
| 23 | ChatGPTでサインイン | ログインは全世界で利用可能。プラン利用枠の共有はPlus、Pro向け |
| 24 | Pro 500 | 提供開始済み |
| 25 | OpenAI Marketplace | ベータ版、条件を満たす企業顧客 |
25項目をまとめて見る
「どの種類の仕事のコストを下げるか」で分けると、この25項目は5つのグループにまとめられる。
- フォローし続けるコスト:Dots。 これまでは、タスクを振るだけでなく、AIに続きをやるよう何度も促す必要があった。Dotsが省こうとしているのは、「見張る」こと自体に取られる注意力である。
- 能力の値段と待ち時間の値段:GPT-6.1 SolとUltrafast。 前者はより多くの複雑なタスクを安いモデルに任せられるようにし、後者は急ぎのタスクがお金で速度を買えるようにする。これは2つの別の勘定で、分けて計算する必要がある。
- タスクの「人がその場にいること」への依存:Codexのクラウド、MCPイベント、チームタスク。 動かす場所があり、イベントによる起動があり、チームで共同管理するIDがあって初めて、自動化は使い捨てのスクリプトから長く回り続けるフローへと変わる。
- 成果の引き継ぎ方:ChatGPT Space、Pages、プラグイン拡張。 AIの成果物がチャット履歴から取り出され、編集でき、共有でき、続けて操作できるドキュメントになる。このグループは一般の会社員に最も身近だ。
- 配信と調達の経路:ChatGPTでサインイン、OpenAI Marketplace。 前者は個人のサブスクリプション枠をChatGPTの外へ持ち出し、後者は企業の調達予算を提携ソフトウェアへ流す。これはモデルの能力とは関係なく、今後みんながどこでAIツールを使い、どこで買うかに影響する。
協働関連の項目は単独で見ると少しばらばらだが、一回の引き継ぎの流れに当てはめると次のようになる。
| 仕事の中の課題 | 対応するアップデート |
|---|---|
| 成果をどこに置き、次にどう見つけるか | ChatGPT Space |
| 一つの成果物をどう続けて編集し、議論するか | Pages、共同編集スライド |
| 会話を離れたあと、誰が続きをやるか | Dots、チームタスク |
| 新しい状況が起きたら、どう自動で着手するか | MCPイベント |
| 同僚がどこで参加し、どこで結果を見るか | SlackとTeamsでの@ChatGPT、プラグインと連携したSites |
| 会議のあとのToDoをどうつなぐか | 会議プラグイン |
一連の流れはこうなる。会議でToDoが生まれ、ToDoがページに書き込まれ、ページが共有スペースに置かれ、チームタスクやDotがその後の変化を見張り、結果がみんなの議論している場所に戻ってくる。
まだ答えの出ていないいくつかの問題
- ライブデモはたびたびつまずいた。 Dotはずっと「まだ確認中」のままで、音声は2回起動しなかった。プロモーション映像のなめらかな一日とは対照的である。Dotsのような製品が使えるかどうかは、1か月使ったあとで、自分が追いかける手間がどれだけ減り、やり直しがどれだけ増えたかで判断することになる。
- 500ドルが高いかどうかは、リターンを計算できるかにかかっている。 1席あたり年6,000ドルは開発ツールとして法外ではないが、それが節約した時間をはっきり説明できることが前提だ。500ドルプランの価値はUltrafastに大きく集中しており、Ultrafastは人が待って見張っている場面でしか効果が見えない。
- 会話内のプラグイン推薦は広告枠になるのか。 12億人が質問するその瞬間は最良の配信チャネルであり、推薦がどう並べられ、誰が上位に来るかは、今後の運用を見る必要がある。
- DotsとMuseがぶつかった。 両社とも「名前があり、アイコンがあり、常時稼働する」個人エージェントを作っている。OpenAIの強みは、背後でCodex、プラグイン、ChatGPTのユーザー基盤とつながっていることだ。最終的に競われるのは、一般の人が安心して一つの職責を任せられる状態をどちらが先に作れるかである。
